東北地方太平洋沖地震 (宮城三陸沖M8.4->8.8->9.0地震,8.9USGS) 福島第一(1、2、3号基)第二原発(1,2,4号基)降灰関係 2011/03/11 part 4-11

食物連鎖における放射性物質汚染:デイビッド・ウォルトナ=テーブス教授

放射性セシウムの海洋汚染が人体に及ぼす影響を数理モデルで試算

福島県放射線汚染状況 2499件 高い順

福島20km以内放射能濃度(ベクレル/h)、空中線量(マイクロしーベルト/h)

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2000ベクレル=2000カウント/秒=120000cpm(カウント/分)

汚染魚(水爆マグロ)=100cpm=1.66ベクレル

・2011年2月28日:1954年3月1日、に米国が太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で汚染された海域にいた高知県のマグロ漁船「第五海福丸」の元船員で所在が判明した19人のうち、11人が既に死亡し、6人の死因ががんだったことが同県太平洋核実験被災支援センターと毎日新聞の調べで分かった。同実験での被ばく被害は「第五福竜丸」が有名だが、6回の実験では延べ約1000隻の日本の船が放射能に汚染されたマグロを投棄するなどしており、乗組員が被ばくした可能性がある。マグロ漁船は寄港後、乗組員については放置、放射能汚染魚については12月末に放射能検査を打ち切り、1955年1月4日に慰謝料200万ドル(7億2000万円)で米政府と政治決着。
参考:◇ビキニ環礁水爆実験
1954年3~5月、米国は主に太平洋のビキニ環礁で6回の水爆実験「キャッスル作戦」を実施した(広島原爆の3220倍の威力)。 1回目の3月1日の実験時、現場から約160キロ東にいた静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」が放射性降下物「死の灰」を浴びて被ばく。無線長の久 保山愛吉さんが急性放射線症で同年死亡した。他に汚染マグロを投棄するなどした船は延べ1000隻に上り、うち3分の1が高知県の漁船だった。被ばく者と 認定された元船員はいない。
「キャッスル作戦」は一連の実験の一部であり、米国のビキニ・エニウェトク環礁の核実験が67回、太平洋では英仏を入れると約300回以上の核実験が行われている。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110228mog00m040011000c.html
2011年3月1日:毎日新聞

<コメント>ビキニ事件を知っていますか

大石又七(第五福竜丸元乗組員・ビキニ水爆実験被爆者)

日本人でも、この事件の内容を知っている人がどれだけいるだろうか。おそらく90パーセントの人が知らないと思います。

1946年から67年まで、アメリカ軍は太平洋マーシャル諸島のビキニとエニウエトク環礁で67回の原水爆実験を行い、20世紀最大の地球環境汚染を引き起こしています。
中でも54年3月1日の広島型原爆のおよそ1000倍といわれる巨大な水爆実験は、あの広い太平洋や大気圏を強力な「死の灰」放射能で汚染しました。
この汚染を世界中に知らせるきっかけを作ったのが、実験場から160キロ離れたところでマグロ漁をしていて被爆した私たち第五福竜丸です。ガンなど引き 起こす27種類もの強力な「死の灰」放射能が、船上に雪のように降り積りました。その灰を持ち帰ったことから地球上の汚染が発覚し世界中が大騒ぎになった のです。その灰にはアメリカの最高軍事機密である水爆構造まで含まれていました。被爆した船は福竜丸だけではありません。厚生省が認めただけでも856隻、およそ1000隻に及び2万人近くが被爆しています。

太平洋降り注いだ「死の灰」は大量の魚を汚染し、捨てられたマグロは半年間で457トン。刺身にして250万人分と言われています。大気圏に上がった放射能は何 千、何万カウントの雨や雪を地球上に降らせました。東京には1万2000カウント、京都には何と8万6000カウントの雨が降っています。

しかし、この大切な意味を持つ事件を、日米政府はわずか9ヶ月で国民や被害者の頭越しに補償もしないで政治決着を結んで、ふたをしてしまいました。その結果どうなったでしょう。核兵器は10数カ国に拡散し3万発の核弾頭となって人類を脅かしています。

その後、福竜丸では半数の12人がガンなどを発病して亡くなりました。私もガンを発病し、最初の子どもは死 産で奇形児という口惜しい思いもしています。核実験が及ぼした被害は計り知れません。核の脅威は世界中に広がり、翌年の1955年には原水爆禁止世界大会 が開かれ、核絶滅を訴えたラッセル・アインシュタインの宣言。さらに部分的核実験禁止条約、大気圏内の核実験が禁止されるというようにつながったのです。

この、ふたをされたビキニ事件には、驚くような政治の裏が潜んでいました。隠されていた、それらの資料が30年、40年たってアメリカ公文書館や日本の外交機密文書の中から浮かび上がってきました。

国民の強力な核実験反対運動には、日米の影の仕掛け人たちが必死になって反対運動の矛先を変えています。ま た外務省が被害額を賠償させずに事件を忘れさせる方法をアメリカ大使に進言しています。そしてなおかつ、水面下でそれらを取引材料にして原子力技術と原子 炉を要求し受け取っています。被爆当事者としては許せません。まるで人柱です。

これらの資料を本にまとめ、どうしても皆さんに知ってもらおうと昨年「ビキニ事件の表と裏」として出版しました。
被爆以後、15年間一切口をつぐんで隠れていましたが、核兵器の脅威は増すばかり、仲間たちは口惜しい思いを胸に秘めたまま、小さくなって死んでいくの を見送っているうちに、やはりこの悲劇は私たちだけのものではないと思うようになり、発言するようになりました。

世界の指導者のみなさん。もうそろそろ核兵器の怖さに気がついてください。それでないと、国もあなたの家族の命も失うことになると思います。

内部被ばく ないぶひばく

 生体内に取り込まれた放射性物質による被ばくをいう。体内被ばくともいう。放射性物質が体内に入る経路は、呼吸によるもの、経口によ るもの、皮膚を通じるものの3通りがある。体内に入った放射性物質は、全身に均等に分布する場合と特定の1つまたは幾つかの器官あるいは組織に選択的に吸 収される場合がある。ヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨に沈着するが、セシウムは骨に数%、筋肉に80%、残りは肝臓その他の器官に沈着する。体内に 取り込まれた放射性物質は、時間の経過とともに代謝、排泄等によって体外に出ていく。被ばく量は、有効半減期(放射性物質の壊変と生物学的過程の双方の効 果で放射能量が半分になる時間)に依存する。


2011年04月17日

子どもの頃の「水爆マグロ」

『写真昭和30年史 1926-1955』(1955/毎日新聞社)から

1954年3月、ビキニ環礁におけるアメリカの水爆実験で、マーシャル諸島の住民、そして近くでマグロ漁をしていた日本の「第五福竜丸」などの漁船 員が被曝しました。焼津港への帰港後、久保山船長は9月3日に重体になり、毎日容態を伝えるラジオのニュースに父が聞き入っていたことを覚えています。久 保山さんは23日に亡くなりました。

その間、近隣からの捕獲マグロから次々と高い放射線値が検出され「水爆マグロ」「放射能マグロ」として怖れられます(この頃の「国民的恐怖」の経験は今の若い世代にはまったく伝わっていません)。

私は父が出版(1955年3月)後すぐに買ってきたこの写真集を繰り返し飽きることなく眺めていました。小学校2年生の頃以降です。
過去記事:忘れられない写真ー『写真 昭和30年史 1926-1955』(毎日出版社)(2010年08月19日)
なかでも上掲の写真は強烈な印象を子ども心に与えました。

子どもをあなどってはいけません。今に至る私の反核(原発を含む)意識は確実にこの頃醸成されたのですから。
これに先立って日本の反核意識と反米共産化を抑える、としてアメリカが打ち出したのが1952年に成功した原子力発電の利用です。
日本の政治家で呼応したのが中曽根康弘(当時改進党の青年代議士/現・妖怪)。ビキニ水爆実験の翌日に日本初の原子力予算案を国会に提出し成立します。

以降、読売の正力松太郎(自身のち国会議員)を先導に「夢のエネルギー」宣伝のもと、高度成長下の日本の国策として政界、電力を中心とした産業界、 官庁、膨大な天下り用関連法人、地方自治体、マスコミ、大学・研究所・学会の巨大な原発推進の複合利益共同体が形成されて今に至ります。

「原子力の平和利用」と銘打っての原発は日本のエネルギーに関する国策であるとともにイデオロギー政策でもありました。
同じ「核」であることを意図的に隠し「少資源によって恩恵が得られるのだ」という方向に誘導しました。「安定的供給」だの「クリーンなエネルギー」などそ の時々都合のいいキャッチフレーズが言われ、もう半世紀以上にわたる教育宣伝宣撫で「資源の少ない日本で原発は欠かせないもの」は日本人の大部分の「常 識」となりました。
私は「夢のエネルギー」などということを子ども心に変だと思っていました。別に理屈ではありません。
当時の私の家族の中心であった戦前家父長の典型のような祖父にことごとく反発し、その祖父が正力松太郎と読売の信奉者だったからこれは信用できないと感じたのでしょう。

今、この原発震災であるフクシマとこれからの日本のあり方に関して、親がどういう態度を持つかということは、小さい子どもにも確実に伝わります。

私たちの世代ではまだ実現できないかもしれない。しかし次の世代に伝えることはできます。子どもたちに、ものの見方、考え方、とるべき態度を示す、見せる、できうるかぎり語ることが今もっとも自覚的に必要だろうと思います。

主催者報告「ビキニ被災事件とは何か」

河井智康(日本科学者会議/海洋サイエンス)

1、水爆実験とブラボー爆弾

1945年10月24日の国連第1号決議には、「原子兵器(核兵器)および大量破壊に応用できるその他すべての主要兵器を各国の軍備から廃絶すること」 という一節がある。しかしそのとき即時実行を米国が拒否したことから米ソの核軍拡競争は始まった。米国は1946年に旧ソ連は1949年に、英国も 1952年に核実験を開始した。そして米国は1952年10月に第1回の水爆実験に入り、ソ連も翌53年8月に水爆実験を行った。しかもソ連の水爆は、よ り実用的といわれる乾式であり、米国より水爆開発では上をいくものと考えられた。

米国は翌54年に、ソ連を追い抜くべく、巨大な水爆実験を3~5月にかけビキニ環礁で行った。それは、ブラボー(15mt―メガトン)、ロメオ (11mt)、クーン(0.1mt)、ユニオン(6・9mt)、ヤンキー(13・5mt)、ネクター(1・7mt)の計6回、合計48・2mtにも及ん だ。広島投下の原爆は15キロトンであり、ブラボー爆弾は1発でもその1000倍に相当した。ちなみにビキニとエニウエトクの両環礁(マーシャル諸島の実 験場)での全実験はのべ7年で67回、108・5mtであるから、その約半分の威力に相当する実験が1954年の3カ月に集中したのである。この時の実験 シリーズをキャッスル作戦と呼んだが、その第1発目のブラボー爆弾が、マグロ漁船「第五福竜丸」とロンゲラップ島民を始めとするマーシャル人に大きな被害をもたらしたのである。そして環境汚染の面でいえば、キャッスル作戦全体を含めて、ビキニ被災事件と言えるであろう。つまり、ビキニ被災事件は、明らかに米ソの核軍拡競争の帰結である。

ここで、マーシャル諸島の核実験場と、第五福竜丸とロンゲラップ島の位置関係を確認しておきたい。(図1)マーシャル諸島は太平洋の日付変更線のやや西 側、赤道のやや北側に位置し、また第五福竜丸とロンゲラップ島は極めて接近し、共に致死量又は半致死量のフォールアウトを受けていたことがわかる。しかも 米国が当時指定していた危険区域外にいたが、風向変化を無視した実験により、一層大きな被害を受けたと見られている。米国発表文書でも、何故風向変化を無 視したかは不明としている。ネバダ実験場ではあり得ないことであった。

2、第五福竜丸の被災と放射能マグロ騒動

1954年当時、日本国民の食糧不足は依然として全面回復されておらず、とりわけ動物タンパク質が不足していた。つまりマグロ漁業は国民への食糧供給産業として重要な役割を果たしていた。第五福竜丸も木造99トン型でマグロ船としては大きいほうではなかったが、マグロ資 源の多い赤道近辺を主な操業海域としていた。そして運命の3月1日を迎えたのである。したがって、第五福竜丸の被災は単なる漁業上の突発的事件ではなく、 国民の食糧不足を回復するために国が奨励する事業の中でおきた事件といえよう。そこには国としての政治責任も客観的に存在する。

第五福竜丸は3月14日に帰国したが、人も船もマグロも高い放射能が測定された。23名の乗組員は全員が入院し治療を受け、船は隔離され、マグロはすべて廃棄処分となった。

当時23人の乗組員の年齢は18~39歳で平均25・4歳、16人が独身であった。放射能障害による生命の心配と共に、将来の結婚などへの不安も重なり、精神的にも大きな被害を受けていた。22歳の或る乗組員の日記には次のような記憶がある。

『4月5日、放射能が まだ手足の爪先に残っていた。長い間とれないものだ。ガイガーを当てられて、自分の体の一部に反応があった時の驚きと恐怖は、その身に直面した者でなけれ ば解からないだろう。全く言語に絶するものだ。悪魔の遺産というやつは実にしつこい。体重検査、15貫600匁、よくもこう減ったものだ。元気の時には 17貫もあった俺なのに……。もう一度、本当にもう一度、あの元気だった俺の姿を、何よりも父や母に見せて安心させてやりたい。』

その年の9月23日、無線長だった久保山愛吉さんが「原水爆の犠牲は私を最後にしてほしい」と言い残して、39歳でこの世を去った。50年目の今日、生存者は12名だが、殆どの人が肝臓障害を持ち、いまでも放射能の恐怖にさらされているという。退院後の生活も就職・結婚などで大きなハンデを背負わされ、再び船員あるいは漁業者となれた人はわずか6人であった。

当時、日本のマグロ漁業船は1200隻にのぼり、世界中の海(主に太平洋、インド洋)に出漁していた。政府は緊急に水揚げされるマグロ放射能調査を開始した。簡便なガイガー計数管を用い、1分間100カウント(cpm)以上を汚染魚として廃棄(海洋投棄もしくは地下2m以下に埋没)した。ガイガー計数管とは、金属の円筒に針金をはり、高電圧をかけ、筒の中のアルゴンが放射線に反応し放電する度合いを見る測定器である。その結果、3月16日~12月31日に計856隻のマグロ船で汚染魚が見つかり、廃棄されたマグロは457トン(刺身にすれば2百数十万人分)にのぼった。(図2、表1)

2つの点が注目された。1つは6月には太平洋のほぼ全域で汚染マグロが獲られている。この広がり方はマグロの回遊速度より速いと思われ、フォールアウトの広がりも影響していると考えられる。実際、船体の汚染記録からもそのことが推定されるし、5月には日本本土で放射能の雨が観測されている。米国による危険区域など意味をなさなかった。2つ目は、その年の核実験が5月に終っているにもかかわらず、放射能汚染マグロは一向に減らず、数の上では11月にピークを迎えている。それにもかかわらず、政府は調査を12月末で打ち切った。その理由は、①肉部分はほとんど汚染されていない、②主要な汚染物質が亜鉛65であり人体にそれほど影響がない、としたが、これについては後に再度触れる。

このような中で日本中はマグロパニックに陥った。食の安全と魚価の低落に消費者も魚屋も漁業者も大きな損害を受けた。マグロ魚 価は30~40%も低下し、漁業者の経済的損失だけでも20・5億円に上ったとし日本鰹鮪連合会は試算し補償を請求した。しかし最終的な米国からの補償金 額(慰謝料)は人的被害も含めて総額7・2億円(200万ドル)であった。日本政府もそれで手を打ったのである。今日のプロ野球選手1人の契約金にも満た ない額であった。また国民の魚介類全体への不安が高まったことも事実である。漁業者の数がその後の5年間(1955~60)に10万人減と戦後最大であっ たのも、ビキニ事件が影響していると思われる。

3、俊鶻丸による調査

日本政府は核実験のキャッスル作戦が5月13日に終るのを待って5月15日~7月4日に、調査船「俊鶻丸」を現地に派遣して汚染の実態調査を行った。そ れは世界最初の核実験による環境影響調査となり、船員の外に21名の研究者と9名の新聞報道機関の代表が乗りこみ、調査状況は逐一国民に知らされた。出発 前には「琵琶湖にインク1滴をたらしたようなもの」と汚染を否定する学者もいたが、その予想はあまりにも軽視したものであった。ガイガー計数管の最大記録 でいえば、大気でこそ15(cpm)と低かったが、雨17400、表面海水5540、50m層5786、80m層7025、プランクトン18200、マグロの肝臓4700、筋肉(カツオ)160、船体170と、国内での100cpm以上を汚染魚と判断したこととの比較でも極めて高い値を示した。また、カツオ・マグロ・カジキの魚体部位ごとのカウントを見ると、明らかに消化器系統で高い値を示しており、またマグロが高濃度に汚染されており、食物を通じて汚染が濃縮されていくことを裏付けている。つまり、海水からプランクトン、小魚、大型魚の食物連鎖にそって放射能が蓄積されていったと考えられた。

ここで私は、カツオの筋肉で160cpmの値が出ていることに注目する。また血合肉は一般に筋肉の数倍もの値を示している。政府は肉部分は安全だとして 12月末で陸上調査を打ち切ったが、これらの事実を無視している。その点からも政府の調査打ち切りは無責任であった。また亜鉛65が最大の汚染物質であっ たことも俊鶻丸の調査結果である。しかもそれが自然界の1万倍にも魚体内で濃縮されていたことには世界中が注目せざるを得なかった成果である。ところが日 本政府(米国の指示かもしれないが)はそれを逆手にとって危険が少ない理由とした。しかし現実には死の灰からは27の放射性物質が検出されており、これま た国民の健康を犠牲にした政治判断といえる。なおブラボーが3F爆弾と呼ばれるいわゆる「汚い爆弾」であることも判明した。

こうした日米政府の政治姿勢については、1991年10月24日に公開となった外交機密文書にも赤裸々に示されている。そこでは1952年に結ばれた日 米安保条約を背景にした米国への日本政府の追従が先行し、事件への秘密主義と非人道的対応が特徴的である。世界制覇という野望がこうした結果を生むという 教訓でもある。

4、反核運動の高まりと第五福竜丸の保存

この事件は世界的にも大気と海の放射能汚 染として注目され、国際的非難を浴びた。とりわけ日本では、広島・長崎についで3回目の核兵器による被害として全国的に核兵器反対の世論が高まった。よく 反核運動が東京の杉並から起こったと言われるが、それは必ずしも一番早かったという意味ではない。東京だけ見ても、自治体決議での最初は武蔵野市議会のよ うである。しかしその運動面では、築地での魚屋集会を組織したり、婦人団体の動きが全国を励ました。そして署名運動を全国によびかけたが、それが同年8月 8日の「原水爆禁止署名全国協議会」結成へとつながり、世界に向けての署名運動にも発展した。署名は翌年の8月段階で国内3200万、全世界で6億7千万 に達した。

そしてついに、1955年8月6~8日に、広島で第1回原水爆禁止世界大会が実施された。(資料)14カ国52名の海外代表を含め、5000人を越える 大集会となった。原水爆禁止、原子戦争の阻止、被爆者の救援が大会決議にうたわれたが、以来世界大会の3本柱として今に受けつがれている。この世界大会の 歴史にも紆余曲折はあったが、常に世界の反核世論を結集し、今まで核戦争を起こさせなかったこと、被爆者あるいは世界の核兵器被害者との連帯・援助に貢献 してきた。そして2000年には、ついに世界中が核兵器の廃絶を約束するまでに至った。正に世界大会が世界の世論をリードしてきたといっても過言ではなか ろう。その出発点にビキニ被災事件があったのである。いま米国の世界戦略の下で核兵器廃絶の流れが止まっているかに見る人もいるが、大局的な流れは一層廃 絶に向かっている。

反核運動の中で第五福竜丸の保存が実現した意味は大きい。米政府の圧力や日本政府の追従を乗りこえて、さらには東京湾の藻屑となる直前での市民の献身的努力によるといえよう。

5、マーシャルの悲劇と闘い

マーシャル諸島は、かつて日本軍の占領地であった。日本軍もマーシャルの人たちを虐げた。1944年に日本軍は米軍に負け、後にマーシャル諸島は米国に よる信託統治領として1983年の独立まで米国の支配が続いた。そして1946~58年の12年間、ビキニ環礁とエニウエトク環礁が核実験場となり計67 回の実験が行われた。そしてブラボー爆弾は水爆としては2回目、しかし67回中最大規模の15メガトンの実験であった。

米国の核実験場としては本国のネバダも有名であるが、ここでの大気圏核実験は1951~62に計87回、合計1096キロトン(1・1メガトン)であっ た。ブラボー爆弾1発の10分の1にも満たない値である。つまり米国内では小型の核実験を、マーシャルで大型核実験を行ったのである。このこと自体、マー シャル民族全体を核実験のモルモットにしたと言われてもやむを得ないであろう。ブラボー爆弾が風向の変化にもかかわらず実験され、危険区域を大きく超えて 大量にフォールアウトが広がったことも計画的だったと疑われているのも同様の根拠である。

ブラボー爆弾で最も大きな被害を受けたのがロンゲラップ島民であった。米軍により被曝2日後に他の島へ移動させられたが、第五福竜丸の被曝とほぼ同レベ ルと考えれば、彼らの人的被害は想像に難くない。しかも彼らは僅か3年後に、ロンゲラップがすでに安全だとして元の島に戻された。そして1985年に自ら 危険だとしてロンゲラップを脱出するまで、28年間も放射能汚染の地に生活させられたのである。マーシャルが独立後、1989~94年に全島の放射能汚染調査を実施したが、それによれば、例えば最多汚染物質のセシウム137は、ロンゲラップで低い値の島の1000倍にも達していた。いかにロンゲラップの人びとが、長期間放射能汚染にさらされていたかが伺える。

ロンゲラップ島脱出後、ロンゲラップ島民を代表して、毎年のように原水爆禁止世界大会に参加し、世界にその実相が知られるようになった。世界大会実行委 員会からも調査団が入りその実相を調べ普及している。1998年にはロンゲラップ代表と実行委員会がワシントンでマーシャルの実相を公開し、米国民に大き な衝撃をもたらした。マーシャルでは今、「ヒバクミュージアム」を建て、その経験を後世に残そうとしている。かつての占領国の日本人の運動とマーシャル人 の闘いの合流は、世界平和への大きな1歩につながるであろう。

福島第1原発: 海洋生物、長期の検査体制必要…仏研究所

【パリ福原直樹】フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、福島第1原発事故で漏えいした放射性物質が海洋に与える影響を予測する 報告書を作成した。海藻や魚類に放射性物質が蓄積する危険性を指摘し、汚染海域や食物に関する長期的な観測・検査体制の確立が早急に必要だとしている。

報告書では同原発の冷却作業などで直接海に流入した放射能汚染水のほか、汚染地下水・雨水が海に流入した場合も考慮。短長期の影響をコンピューターを使って予測した。

報告書はまず、汚染水が海水に流入後、数日間は水深20〜100メートルの海中に汚染物質が漂い、一部は海底に堆積(たいせき)すると指摘。数週 間〜数カ月後には、汚染海水が千葉県以北の太平洋沖合に達するとした。この段階で、海中の放射線量が薄まる可能性がある半面、10〜15年後には、放射性 物質が太平洋の赤道付近に到達する恐れもあるともいう。

生物への影響について、放射性物質のヨウ素がコンブ、ワカメなどの褐藻類に付着しやすいと警告。ただヨウ素は放射能の消滅が早く、危険は数カ月で収まるとも指摘した。

また報告書は生物への放射性物質の蓄積度合いが種ごとに違うと指摘。セシウムの場合、魚類は軟体動物の8倍、ヨウ素の場合、褐藻類は魚類の200倍になるという。セシウムは海水の表層部に最高で30年とどまる可能性を警告した。

2011年04月08日 18時39分

2011 毎日新聞社 ALL Rights Reserved.

果たして本当だろうか?

海洋生物環境研究所は1999年に海産生物に残留する放射性物質の研究結果を発表している。

セシウム137の濃縮係数の高い魚種は,硬骨魚のブリ,カツオ,スズキと軟骨魚のアカエイで,低い魚種は硬骨魚のクロウシノシタやマガレイであり,その差は約4倍となっている。
また,甲殻類(エビ類の十脚目)は,硬骨魚より若干低く,軟体類(頭足類・腹足類)のイカ・タコ・貝類はさらに低い値を示している。このように,海産生物種の違いにより約10倍以上の差も見られる。

大型の魚を摂餌しているスズキ,マダラやアカエイの137Cs濃度が高く,一方動物プランクトンやマクロベントス(主に多毛類など)を摂餌しているマガレイやシタビラメ類の濃度は低いという傾向が見られた。
大型の魚種ほど濃縮係数が大きくなる,すなわち137Cs濃度が高くなる傾向を示した。
しかしこの傾向が魚類すべてに当てはまるとは言えない。

イシガレイ,マダラやマゴチでは,確かに体重が大きくなるに従って濃縮係数が大きくなるが,一方マガレイ,アカガレイ,マダイでは,体重が増加しても濃縮係数の増加は認められない。
大型の魚類を摂餌しているスズキなどのセシウム137濃度が高く,動物プランクトンやマクロベントスなどセシウム137濃度の低い餌生物種を摂餌しているマガレイなどは濃度が低い傾向がみられた。
アカガレイに関しては,成長するに伴いセシウム137濃度の低いドスイカなどの深海性頭足類に餌を変化させていることがわかっており,これが影響しているものと考えられる。

表層系の魚類(ここでは,水深約100-150m以浅の海産魚)では,餌の濃度に対して魚体中の濃度が,約2倍になる値が得られている。

一般に水温が高いほど代謝が高まり,取込み・排出速度も高まると考えられている。

海水の塩分濃度が低いほど、セシウム137濃度が高くなる。吸収率は影響を与えないが、排出率が低下する。
塩分が低い(海水の割合が小さい)方が生物学的半減期が長くなる傾向にある。

海産生物と放射能

どう見ても蓄積されることは確かだ。

福島第1原発:海の汚染水拡散 調査の全8地点基準下回る

 東京電力福島第1原発から放射性物質に汚染された水が海洋に流出した問題で、東電が福島県沖8キロと15キロで継続調査している全8地点で、国の 濃度基準を下回ったことが24日までに確認された。一時、基準の4385倍の放射性ヨウ素が検出された南放水口付近でも2倍程度に収まりつつあり、経済産 業省原子力安全・保安院は、流出した汚染水が拡散したことと、高濃度汚染水の止水対策に一定の効果があったとみている。

東電は海に広がる放射性物質を監視するため、保安院の指示を受けて福島県の沖合3~15キロで海水の定点観測を続けている。2号機周辺からの高濃度汚染水の流出が表面化した4月初旬をピークに海水の汚染濃度は低減傾向が続いていた。

22日午前のデータでは、沖合8キロと15キロの全8地点で、放射性物質のヨウ素131▽セシウム134▽セシウム137の主要3核種が基準を下 回ったか、検出可能な濃度に達しなかった。南相馬市沖約15キロでは、4月11日に最大で基準の23倍のヨウ素が検出されていた。一方、いわき市北部など 沖合3キロでは基準を2倍程度上回る地点が残った。

沿岸4地点の濃度もピーク時から最大1000分の1以下に下がり、すべての地点で基準の3倍未満となっている。2号機付近から高濃度の汚染水が海 へ流出した問題では、東電は少なくとも4700テラベクレル(テラは1兆倍、ベクレルは放射線を出す能力の強さ)の放射性物質が放出されたと推定。汚染水 が海へ拡散するのを防止するため、1~4号機の取水口前面などに「シルトフェンス」を設置するなどの対策をとった。

海洋生物環境研究所の御園生淳研究参与(環境放射能)は「放射性汚染水の放出が少なくなっているのは間違いなく、拡散効果によって沖合では確実に 放射性物質の濃度が薄まっていると考えられる。放射性物質の濃度も、すべての核種で国の基準を下回ったのであれば、魚類への放射性物質の蓄積はまず心配し なくてもいいレベルだ」と話す。【八田浩輔、河内敏康】

毎日新聞 2011年4月24日 20時46分

たまり水 4号機の汚染濃度上昇

2011年4月26日 夕刊

 福島第一原発の事故で、対策を遅らせているタービン建屋地下にたまった汚染水について、東京電力は、この一カ月間で4号機では水に含まれる放射性 物質の濃度が四十八倍近くに上がったと発表した。3号機から流入している可能性が高く、濃度上昇が続けば、汚染水の保管や処理といった工程に影響する可能 性がある。

 東電によると、3号機のたまり水の濃度は三月二十四日採取分で一ミリリットルあたり一五六万ベクレルだったのに対し、今月二十二日採取分は三七六万ベクレルと約二・四倍に上昇。4号機は四二三ベクレルから、二十一日採取分で二万ベクレル余りまで急上昇した。

 どちらも半減期がやや長い放射性セシウムが目立って増えた。3号機では八倍余りになる一方、半減期が八日の放射性ヨウ素はほぼ半減。4号機ではセシウムが約二百五十倍、ヨウ素が約十二倍になった。

 東電は、4号機の濃度上昇について、地下でつながっている3号機の水が流れ込んだと説明。どちらも建屋外への漏出はないとみている。

 4号機のたまり水はこれまで比較的低濃度とされてきたが、濃度の上昇により、計七万トンある1〜3号機の高濃度汚染水と同様の扱いを迫られる。

 東電は二十六日の会見で、4号機の水について「われわれの考える高濃度の水準。浄化が必要」との考えを示した。水位も二十六日現在一・一五メートルと二日前より五センチ上昇した。

 一方、安定冷却に向け、原子炉格納容器を水で満たす「水棺」作業の本格化について、東電は二十六日にロボットで調査した上で、二十七日に一時的に1号機への注水量を増やす方針を示した。

原発から4キロ、ヨウ素62倍 20キロ圏内、初公表

2011年4月26日11時55分

 文部科学省は25日、福島第一原発から20キロ圏内の警戒区域の大気中と土壌の放射性物質濃度の調査結果を初めて発表した。大気中のヨウ素131は、北 西4キロ地点で原発敷地外の濃度基準の62倍となった。土壌でも西北西4キロの別の地点で、セシウム137がこれまでの最高値を示した。

大気は4月2日と18日に12地点で採取。土壌は2日に2地点で採取した。

大気中では、ヨウ素131が最も高かったのは、双葉町前田の1立方メートルあたり310ベクレルだった。原発敷地外の濃度基準の62倍の高さだった。こ れまで一番高かったのは、30キロ圏外である北西約35キロの川俣町山木屋で3月25日に検出された555ベクレル。山木屋では、今月23日の測定では検 出されなかった。

土壌中では、西北西約4キロの双葉町山田で、半減期が30年のセシウム137が1キロあたり38万ベクレルと、これまでの最高値を示した。今回の調査で は地表から5センチの浅い土を分析している。イネの作付けを禁止する目安の1キロあたり5千ベクレルは、15センチの深さの土を調べており、単純比較はで きないが、この数値は大幅に上回った。

汚染水濃度、1か月前の250倍…4号機地下

福島第一原子力発電所の4号機タービン建屋地下の汚染水について、東京電力は25日、約1か月前に比べ、放射性セシウムで250倍の高濃度になっていることを、事故対策統合本部の記者会見で公表した。

3号機タービン建屋から流入している可能性がある。水位も上昇しつつあり、原子炉の安定冷却に向けた工程に影響を及ぼす恐れがある。

東電は21日に、4号機タービン建屋地下の汚染水を採取し、放射性物質の濃度を測定した。通常運転時の炉水の10倍の濃度の放射性ヨウ素や、ヨウ 素濃度を上回る放射性セシウムなどを検出。3月24日に同じ場所で採取した汚染水と比べると、長期にわたり高い放射線を出すセシウム134が7800ベク レル、同137も8100ベクレルで、それぞれ約250倍に濃度が上昇していた。また放射性ヨウ素131も約12倍だった。

建屋地下の水位は徐々に上昇しており、4月25日午前11時で、床から最大1・15メートルの水深が計測されるなど、前日に比べて5センチ上昇。1週間前に比べて15センチも増えるなど、水量全体も増加しつつあるという。

また、3号機タービン建屋地下の高濃度汚染水についても、改めて2か所で濃度を調べ直したところ、1か月前に比べて1・5〜2倍以上になっていた。

(2011年4月25日20時57分  読売新聞)

福島第1原発:4号機汚染水の濃度上昇 3号機から流入か

2011年4月26日 11時40分 更新:4月26日 12時47分

東京電力が公表した福島第1原発4号機の映像=東京電力提供

東京電力が公表した福島第1原発4号機の映像=東京電力提供

東京電力は26日までに、福島第1原発4号機のタービン建屋地下にたまった水の放射性物質濃度が、1カ月で最大約250倍まで高くなったことを明 らかにした。3号機のタービン建屋地下から流出している可能性が高く、水位も上昇傾向にある。1~3号機の汚染水に比べれば濃度は低いものの、移送先は確 保できておらず、事故収束に向けた新たな難題が浮上した形だ。また、東電は同日、水がたまっている1号機格納容器で、燃料上部まで水で満たして原子炉を冷 やす「水棺」作業に本格的に移行するか判断するための作業に入ると公表した。【阿部周一、八田浩輔】

東電は21日、4号機タービン建屋地下のたまり水を採取し、1立方センチ当たりの放射性物質濃度を調べた。その結果、4号機では半減期が約30年 と長いセシウム137が8100ベクレル、セシウム134(半減期約2年)が7800ベクレル検出され、いずれも前回調査(3月24日)の約250倍に上 昇。ヨウ素131(半減期約8日)は12倍の4300ベクレルだった。

水深は26日午前7時現在1.15メートルで、13日の0.9メートルから2週間で25センチ上昇した。3、4号機のタービン建屋は共通の電源盤 などを置く電気品室を通じてつながっており、3号機で原子炉冷却のために注いでいる水が、ケーブルの隙間(すきま)などから4号機側に流出している可能性 が高いという。東電は「建屋外への漏出は見られないが、移送先を早く確保する必要がある」と説明している。

また、燃料棒が約7割損傷しているとみられる1号機の「水棺」計画を巡り、東電は26日に原子炉建屋にロボットを投入し、映像から配管などを含む 格納容器の損傷の有無を確認すると発表した。さらに27日以降、一時的に原子炉への注水量をこれまでの約2・3倍にあたる毎時14立方メートルに増やし、 圧力や水位の変化から水棺が可能か見極める最終判断を行う。

水棺作業は、事故収束に向けた工程表で最初の3カ月目標に掲げた対策の一つ。現在、圧力容器に注いだ水が漏れるなどして、格納容器には深さ約6 メートルの水がたまっているとみられる。東電は格納容器を燃料棒上部まで水で満たすことによる冷却効果を期待しているが、耐震性や格納容器内にたまった水 の冷却方法などに課題が残っている。

高汚染水処理、セシウム吸着させ沈殿 契約の仏企業提案

2011年4月25日15時0分

図:高濃度汚染水の処理拡大高濃度汚染水の処理

福島第一原発の収束の鍵を握るのが、たまり続ける放射能汚染水の処理だ。原子炉を安定して冷却するしくみを作る作業の妨げになる上、外に漏れれば再び海 洋汚染に発展する。東京電力は仏企業と契約し、浄化設備を作って6月から処理を始めるが、技術的に課題もあり、先行きは不透明だ。

東電と4月上旬に契約したのは仏の原子力大手アレバ。ロベルジョン最高経営責任者によると、1時間あたり50トンの汚染水を処理し、放射能濃度を1千〜1万分の1に低減できるという。

現在、1〜3号機のタービン建屋や坑道などに計約7万トンの汚染水がある。特に2号機のタービン建屋のたまり水は、表面線量が毎時1千ミリシーベルトを超え、濃度は極めて高い。

アレバが提案するのは「凝集沈殿法」と呼ばれる方法。この汚染水にフェロシアン化ニッケルなどの吸着剤を入れ、放射性セシウムなどを吸着させた上で、凝集剤を入れて沈殿させて取り除く。仏ラアーグにある同社の使用済み燃料の再処理施設でも採用している方法だ。

汚染水の処理について、日本の研究者からも提案があったが、放射性廃液の扱いのノウハウを持っているアレバ社との契約に至った。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「(アレバ社は)世界で最もノウハウがある。廃炉の技術と合わせれば全体的に強い」と話した。

東電はこのほか、放射性物質を吸着する鉱物ゼオライトを混ぜたフィルターに汚染水を通したり、加熱して蒸留することで塩分と放射性物質を取り除く方法も検討している。

東電は2号機の高濃度汚染水約2万5千トンを、敷地内の集中廃棄物処理施設(容量1万トン)に移送し続けている。25日朝の時点で1400トンが移送さ れた。1号機の汚染水はタービン建屋内の復水器に移送中で、3号機も復水器に移送する予定。移送後は浄化処理をして濃度を下げ、仮設タンクやメガフロート (大型浮体式構造物)、バージ船で保管したり、再び原子炉の冷却水に使ったりする計画だ。

ただ、集中廃棄物処理施設や復水器などの空き容量は十分でない。東電は7月をめどに汚染水の仮設タンクを設置する計画だが、容量は1万トンしかな い。しかも、汚染水は原子炉への注水に伴って増え続けている。このため、東電は浄化処理施設が完成したら、浄化と並行して移送を続けることにしている。

浄化処理がうまくいかないと移送は滞ることになりかねないが、専門家の間には技術的課題を指摘する声もある。東工大の有冨正憲原子炉工学研究所長は「各 号機により汚染水の成分がだいぶ違う。津波の海水やディーゼルタンクが流された際の重油も含まれているはず。それによって、吸着率に大きな差が出る」と話 す。(香取啓介)

放射性物質、100分の1に減少…原子力安全委

内閣府の原子力安全委員会は25日、東京電力福島第一原子力発電所から放出される放射性物質が今月上旬に比べて100分の1程度に減っているとの見解を明らかにした。

また、同原発周辺の沿岸で24日に採取した海水中の放射性ヨウ素131が、3月21日の調査開始以来初めて、国の濃度 基準を下回ったことも分かった。ただ、放射性物質の放出量は1時間当たり100億ベクレルほどと依然高レベルで、安全委は「予断を持たず、推移を見守る必 要がある」としている。

放射性物質の放出量は、同原発周辺の放射線量の測定結果をもとに、安全委が試算している。5日時点の放出量は1時間当たり1兆ベクレルと見積もっ ていた。安全委は25日の会見で「周辺の放射線量は低下傾向にあり、放出量は100分の1程度に減少している」との見方を示した。

(2011年4月26日11時41分  読売新聞)

福島4号機の汚染水、濃度200倍 セシウム3月末比
東電が明らかに

2011/4/26 10:59 (2011/4/26 12:11更新)

 東京電力福島第1原子力発電所4号機にたまる汚染水が含む放射性物質の濃度が上がっている。東電が26日までに明らかにした。3月末に比 べて放射性セシウムが200倍以上になった。水位も3、4号機ともに上昇している。汚染水が増えれば、浄化や止水で追加対策を迫られる。復旧に向けた東電 の工程表が滞る恐れも出てきた。

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 放射性セシウムやヨウ素の量を3月24日と4月21日で比べた。4号機タービン建屋地下にたまる汚染水はセシウム134と137が250倍、ヨウ素131が12倍に増えた。汚染の程度について東電は、厳しい管理が必要な「高濃度」に入ると説明している。

 4号機は東日本大震災の発生当時は定期検査中で、原子炉に燃料棒は入っていない。建屋が3号機と配管などでつながっていることから「3号機の原子炉を冷却するために注入している水が漏出している可能性が高い」(東電)という。

 東電によると、3号機の原子炉建屋付近の放射線量は毎時10~60ミリシーベルト。同900ミリシーベルトのがれきも見つかり、復旧作業を阻んでいる。3号機のタービン建屋地下の汚染水からは、4号機よりも1000倍高い放射性セシウムが検出されている。

 また3号機の海に近い坑道(トレンチ)にたまった汚染水の水位も上昇。26日午前7時は水面が地上から98センチメートルと25日午後6時より1センチメートル上がった。東電が移送を検討する目安の地上まで残り1メートルを切っている。まだ保管先は無く、監視を続ける。

 高濃度汚染水が増え続けると、東電が工程表で7月中旬までの実現を目指す冷却装置の設置が難しくなる。

郡山市、校庭28か所の表土除去へ

福島県郡山市は25日、福島第一原発事故による放射線量の数値が高かった市内の小中学校と保育所の計28か所で校庭の表土を除去すると発表した。

県教育庁によると、県内の教育機関で放射線対策の土壌改良を行うのは初めて。

国の暫定基準では校庭の放射線量が毎時3・8マイクロ・シーベルト以上の場合、屋外活動を制限するとしており、県内13の小中学校、幼稚園などが該当していた。

郡山市で基準以上だったのは小学校1校だけだったが、市は地表から1センチの高さの放射線量について、小中学校は毎時3・8マイクロ・シーベルト 以上、保育所や幼稚園では同3・0マイクロ・シーベルト以上の場合は表土を除去するという独自の基準を設定。県の調査結果を基に、除去作業を進める学校、 保育所を決めた。取り除く表土は厚さ1〜2センチを予定し、早ければ今週末から行う。除去した土は、市内の最終処分場に廃棄する。

同市は「放射線が土壌に深く浸透する前に実施し、いち早く学習環境を整えたい」としている。

(2011年4月26日01時28分  読売新聞)

今になって公表した放射性物質の飛散予測

内閣府原子力安全委員会は25日、東京電力福島第一原子力発電所から大気中に放出された放射性物質のコンピューターによる拡散予測を公表した。

予測は本来、事故発生直後の避難に活用する計画だったが、これまで3月23日と4月11日の2回公開されただけだった。細野豪志首相補佐官は25 日の事故対策統合本部の共同記者会見で「3月半ばの最も放射性物質が飛んでいた時期に予測を利用できず、大変申し訳ない」と謝罪した。

公表されたのは、3月11日から4月25日までの1時間ごとの放射性物質の拡散予測と、これまでの積算放射線量。今後は、1時間ごとの予測を毎日正午に更新、積算線量も随時更新する。

(2011年4月26日01時31分  読売新聞)

ベクレルとシーベルトを換算する [医療のトピック] [編集]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

昨日のジブリの特集はチラ見したのですが、
「ポニョ」は殆ど出しませんでした。
その辺は配慮を感じましたね。

ジブリの作品は基本的に男尊女卑ですよね。
表面的にそうでなさそうに見せたりもするけれど、
本質的に古い規範への郷愁みたいなものが、
あるのだと思います。
だから、概ね女性は嫌いな人が多くて、
それは当然のことなのだと思います。

それでは今日の話題です。

数学と化学は苦手だったので、
誤りがあればご指摘下さい。

僕の理解している範囲で、
ベクレルとシーベルトを、
放射性ヨード131に関して換算します。

原発から離れた場所の水道水から、
1000ベクレル程度の放射性ヨード131が、
検出された、との報道がありました。

この前まで放射線の量は、
シーベルトと言う単位で説明していましたよね。

何で急に単位が変わったのでしょうか?

これは政府の陰謀で、
単位を変えてその被爆の大きさを、
誤魔化そうとしているのかしら?

いえ、そんなことはありません。

水やホウレン草の放射線を示す、
ベクレルという単位は、
放射能の強さを示す単位です。

それに対して、
人間の被曝する放射線量は、
シーベルトという単位で表現します。
つまりシーベルトは量の単位です。

放射線を含む元素が、
何であってもシーベルトには変化はありませんが、
たとえば100ベクレルのヨードと、
同じ100ベクレルのセシウムが、
同じように吸入されて体内に入っても、
被曝量として測定されるシーベルトは異なります。

つまり、水に含まれる放射線の強さの数値が、
実際にどのレベルの被曝量になるかは、
換算式で計算しなければいけません。

さて…

放射性ヨード131の場合、
経口摂取の換算係数は2.2×10-8(10のマイナス8乗です)(Sv/Bq)です。
これが吸入では7.4×10-9(10のマイナス9乗です)(Sv/Bq)となります。

たとえば、
今回1キログラム当たり2000ベクレルの、
放射性ヨード131がホウレン草から検出された、
との報道がありましたが、
このケースを経口摂取で計算すると、
44μSv(マイクロシーベルト)に相当する、
ということになります。
単純に比較は出来ませんが、
同じ放射線量としては、
これはほぼ胸のレントゲン写真1枚分に相当します。
(1枚20~50μSv)

この意味は汚染されたホウレン草を1キロ食べると、
その時に2000ベクレルの放射性ヨードが、
身体の中に入り、
それが全て身体に吸収されるとすると、
44マイクロシーベルトの被曝をしたのと同じだ、
ということになります。
これを内部被曝と言います。

ただこの全てが甲状腺に集まる訳ではなく、
甲状腺に集積する放射性ヨードは、
通常の状態で全ヨードの2割程度です。

放射性ヨードは、
実は甲状腺機能亢進症の治療として、
使用されることがあります。
この時使われるのはヨード131ですから、
基本的には原発からの放射性ヨードと同じです。
これをヨウ化ナトリウムの形で飲んで頂きます。
通常投与後2週間で退院して頂きますから、
そのくらい経てば、
甲状腺に取り込まれたヨード以外の放射線は、
外部には影響を与えない量に減衰している、
ということになります。

ヨード131の半減期は8.04日です。

この時使用するヨードは、
概ね5mCi。これは古い単位で、
換算すると1.85×108(10の8乗です)ベクレルです。
つまり、1.85 億ベクレルです。
これは4.07Svの被曝量に相当します。
この量の放射能により、
甲状腺の細胞の8~9割は死滅するのです。

これを考えると、
僕は放射性ヨードに関しては、
それほどの問題にはならないと思います。
ヨードの減衰は早く、
その効果は甲状腺に限局して一時的です。
多くの線量の被曝が想定される時に限って、
甲状腺に入るヨードをブロックすれば良いのです。

問題は従って、セシウムなど、
ヨード以外の元素による、
放射能の問題です。
セシウム137の半減期は30年。
つまり、その間放射線を出し続けるのですから、
排泄が早い点は救いですが、
被曝の数値はある程度加算されることになる訳です。
この影響はヨードとは全く違います。

国の記者会見で、
たとえ1年間毎日摂取したとしても、
そのトータルの量はCT検査1回分に満たない、
という表現をしていましたが、
それは単純な加算計算としては事実ですが、
実際にはケースバイケースだと思います。
減衰の早いものでは、
むしろその計算より実際の被曝量は少ないでしょうが、
半減期の長く蓄積し易いものでは、
そう単純な計算にはなりません。

また、その都度CTのことを持ち出すのは、
不安に思われる方もいるので、
いい加減止めて欲しいと思います。

癌の放射線治療などでは、
そのまま数値だけ見れば、
致死量に匹敵するような放射線を使用することがあります。

しかし、それで身体に大きな問題がないのは、
減衰の早い放射性物質を使用し、
その効果もターゲットである癌の組織に、
集中するように計算されているからです。

つまり、被曝による身体の影響は、
その放射性物質が何であるか、
どういう性質を持つものであり、
どのような形で身体に吸収されたか、
といった要因により大きく変化するものなので、
放射線量の数値ばかりでなく、
そうした細部の情報にも、
注意しつつ今後の経過を見守る必要があるのです。

最後に最近常に使われる、
「安全」の言い回しについて確認しておきます。

「ただちに健康を害するような量ではない」
という言い方がされますが、
この「ただちに」と言うのは、
急性の放射線障害を、
起こすような被曝量ではない、
と言う意味です。

それでは、急性以外のどういう障害があるのか、
と言えば、
それは将来の癌の確率的な増加です。
この場合はより低い線量でも影響のある可能性があり、
明確にないとは言い切れないので、
そうした予防線を張った言い方をしているのです。

今日は放射線量の単位についての話でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日は事態が好転しますように。

石原がお送りしました。

(付記)
放射性セシウム137について補足します。

セシウム137についての換算係数は、
経口摂取で1.3×10-8(10のマイナス8乗です)(Sv/Bq)、
吸入で3.9×10-8(10のマイナス8乗です)(Sv/Bq)です。

ここで、
報道によるとホウレン草から、
1キログラム当たり1931ベクレルのセシウムが検出された、
とありますから、
これは換算すると、
25.1マイクロシーベルトに相当します。

つまり、このホウレン草を1キログラム摂取し、
それが全て吸収されたと仮定すると、
その被曝線量は25.1マイクロシーベルトで、
レントゲン写真1枚分程度です。

ただ、ここで注意するべきは、
セシウムは吸入の方が、
経口摂取よりより被曝線量が多い、
という事実と、
この元素はヨードと違って、
減衰に時間が掛かる、という事実です。

以上、セシウムについての補足でした。
(セシウム134も検出されたようですが、
これは半減期はグッと短いのです)

放射性物質の放出量、1〜10%程度に減少 第一原発

2011年4月25日22時57分

 原子力安全委員会は25日、東京電力福島第一原子力発電所からの最新(1週間前)の放射性物質の放出量が1時間あたり100億ベクレル程度と推定され、4月5日時点の1千億〜1兆ベクレル程度から、1〜10%程度に減少した可能性があることを明らかにした。

国が観測を続けている放射性物質の雲(プルーム)については、100億ベクレルまで濃度が下がると検出が難しくなる。原子力安全委員会の班目春樹委員長 は「事故から25年を迎えたチェルノブイリのような直接的な健康被害を出したくない。被害を最小限におさえるため、新たな方法を使ってでもきっちり監視し ていきたい」と話した。

空気中のヨウ素、限度超え 原発20キロ圏

2011.4.26 00:35

 文部科学省は25日、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内で地表付近の空気中に含ま れる放射性物質について、調査結果を初めて公表した。ヨウ素131は、4月18日に調査した11地点で空気1立方メートル当たり5・2~310ベクレル検 出し、法令の濃度限度である同5ベクレルを全地点で上回った。

最高値は原発の北西約4キロの福島県双葉町で、ヨウ素は濃度限度の62倍、セシウム134は6倍、セシウム137は4倍近かった。

20キロ圏外では事故後、ヨウ素131は濃度限度の111倍、セシウム137は5倍近くが検出されている。

日本産鳥の餌から放射性物質、検出量は基準値以下
2011/04/25 16:59 KST

【ソウル25日聯合ニュース】韓国の農林水産食品部は25日、千葉県から輸出した鳥の餌から放射性物質が検出されたと発表した。検出量は1キ ロ当たりセシウム3.5ベクレルと放射性ヨウ素1.6ベクレルで、いずれも食品の放射性物質の許容量を定めた基準値を下回る水準という。

食品の放射線量の基準値は370ベクレルで、餌の基準値は設定されておらず、食品の基準値を適用している。

同部では3月29日から今月22日まで、日本産餌52件・390.3トンに対する放射性物質検査を実施した。

同部は原発事故が起きた福島を含む近隣の4県から輸入する餌は暫定的に輸入を停止し、その他の地域から輸入される餌については基準値以上の放射性物質が検出されれば、通関を保留するか、返却する措置を取っている。

kimchiboxs@yna.co.kr

文科省、20キロ圏内の測定値発表

文科省、20キロ圏内の測定値発表

文部科学省は、原発から20キロ圏内の地域の空気中の放射性物質と土壌濃度の測定結果を初めて公表しました。

それによりますと、原発から北西におよそ4キロの双葉町の地点でヨウ素131が、国の基準の62倍である310ベクレルが検出されました。

また、同じ双葉町の西北西およそ4キロの地点で土壌の濃度を測定した結果、これまでで最大の38万ベクレルのセシウム137が検出されています。

文部科学省によると、通常、土壌の中に含まれるセシウム137は数ベクレル程度だということです。(26日01:34)

東日本大震災:原発4キロ土壌で高濃度セシウム

 文部科学省は25日、福島第1原発から半径20キロ圏内の土壌中と空気中の放射性物質濃度を初めて公表した。原発の西北西約4キロの福島県双葉町 山田北田で、土壌1キロ当たり38万ベクレルのセシウム137が検出され、20キロの外側で計測された最高値(31万ベクレル)を上回った。

土壌は4月2日に2カ所から採取した。ヨウ素131は、原発の西南西2キロの大熊町夫沢で1キロ当たり100万ベクレルが最高だった。空気は4月 2日と18日に計12カ所で採取し、原発の北西約4キロの双葉町前田で、空気1立方メートル当たり310ベクレルのヨウ素131を計測した。原発の敷地境 界での法令限度の62倍に相当する。【西川拓】

毎日新聞 2011年4月26日 東京朝刊

【原発】批判相次ぎ “SPEEDI”の情報毎日公表へ(04/26 00:03)

 

政府は、放射性物質の拡散状況を予測するSPEEDIシステムのデータを毎日、公表することを明らかにしました。

福島第一原発では、津波による停電や爆発で測定器が動かず、放射性物質の放出量が分からないとして、SPEEDIのデータはこれまで部分的にしか公開され ていませんでした。これに対してさまざまな批判があり、政府は放射性物質の濃度の分布図などを毎日、公表することにしました。先月16日以降のデータもさ か上って公表します。細野総理補佐官は公表に際して、「これまで準備が整わなかった」と謝罪しました。

「40km離れた上空から撮影」

放射能拡散情報公表が遅れた背景に「政府の初動ミス隠し」

2011.04.26 07:00

政府には、原発事故発生の際に稼働する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(通称“SPEEDI”)」がある。

SPEEDIには、全国の原子力施設の炉型や周辺地形などがデータとして組み込まれている。原発事故が発生して放射性物質が放出されると、気象庁 のアメダスと連動して、風向や風速、気温などから放射性物質の拡散を計算して図形化し、最大79時間後までの飛散を予測する能力を持つ。

SPEEDIは事故直後の3月11日17時から動き始めたものの、最初に拡散予測図が公表されたのは3月23日、その後4月11日に2枚目が公表されたにとどまっている。その背景を追跡してみた。

東京電力は地震発生翌日の3月12日に1号機と3号機で炉内の圧力を下げるために放射能を帯びた水蒸気などを建屋外に放出する「ベント」に踏み切り、13日には2号機でも実施。さらに、15日にはフィルターを通さない緊急措置である「ドライベント」も行なった。

このタイミングで大量の放射性物質が飛散したことは間違いない。それはモニタリングのデータもはっきり示している。

だが、枝野幸男・官房長官は1号機のベント後に、「放出はただちに健康に影響を及ぼすものではない」(12日)と発言し、20km圏のみの避難指示を変更しなかった。センターの証言によれば、枝野氏はSPEEDIのデータを知っていたはずだ。

SPEEDIを担当する文科省科学技術・学術政策局内部から重大証言を得た。

「官邸幹部から、SPEEDI情報は公表するなと命じられていた。さらに、2号機でベントが行なわれた翌日(16日)には、官邸の指示でSPEEDIの担当が文科省から内閣府の原子力安全委に移された」

名指しされた官邸幹部は「そうした事実はない」と大慌てで否定したが、政府が“口止め”した疑いは強い。なぜなら関連自治体も同様に証言するからだ。

システム通り、福島県庁にもSPEEDIの試算図は当初から送られていたが、県は周辺市町村や県民に警報を出していない。その理由を福島県災害対策本部原子力班はこう説明した。

「原子力安全委が公表するかどうか判断するので、県が勝手に公表してはならないと釘を刺されました」

福島県は、玄葉光一郎・国家戦略相や渡部恒三・民主党最高顧問という菅政権幹部の地元だ。玄葉氏は原子力行政を推進する立場の科学技術政策担当相を兼務しており、渡部氏は自民党時代に福島への原発誘致に関わった政治家である。

この経緯は、国会で徹底的に解明されなければならない。「政府が情報を隠して国民を被曝させた」とすれば、チェルノブイリ事故を隠して大量の被曝者を出した旧ソビエト政府と全く同じ歴史的大罪である。

しかも、その後も「安全だ」と言い続けた経緯を考えると、その動機は「政府の初動ミスを隠すため」だったと考えるのが妥当だろう。

※週刊ポスト2011年5月6日・13日号

追加非常電源 炉冷却には電力不足

2011年4月26日 07時05分

 東京電力福島第一原発事故を受け、外部電源と非常用発電機の全ての電源が断たれた場合に備えて配備した電源車や発電機で、電力九社などでは、原発で原子炉を安定した停止状態にすることはできないことが、電力会社などへの取材で分かった。

容量が小さく、原子炉を冷却する装置を一部しか動かせないのが理由。地震後の福島第一原発と同様に、非常用発電機が使えない場合には代替電源がないという状況は事実上、改善されていない。

原発を所有する電力十社と、高速増殖炉もんじゅ(福井県)を持つ日本原子力研究開発機構によると、事故後に電源車や可搬式発電機を原発に配備したが、こう した電源で動かせるのは計器類や小規模の注水装置だけで「非常用発電機のバックアップとは言えない」(電力関係者)という。

東京電力だけは、柏崎刈羽原発(新潟県)に配備した四千五百キロワット(1キロボルトアンペアを1キロワットと換算)一台、五百キロワット四台の電源車などで運転中の四基の冷却が可能だとしている。

日本原子力発電によると、敦賀原発2号機(百十六万キロワット、福井県)の安全な冷却には約三千五百キロワットが必要だが、配備したのは二百二十キロワッ トと八百キロワットの電源車一台ずつ。千八百二十五キロワットの電源車三台を手配したが、配備は「来年三月ごろまでに」としている。敦賀1号機では二百二 十キロワットを一台配備、八百キロワットと千八百二十五キロワット一台ずつを手配した。

中部電力は東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡 県)で、廃炉手続き中の二基を含む五基に追加対策。現在ある非常用発電機に加え、津波の影響を受けないように海抜約一四〜三〇メートルの原子炉建屋屋上な どに新たにディーゼル発電機計九台を設置したが、容量が小さく、さらに敷地内の高台にガスタービン発電機三台を配備する。

北海道電力は、泊原発に三千二百キロワットの電源車一台を配備したが、1〜3号機共用で三基の原子炉を安定的な停止状態にするには容量が十分でないため、二年以内をめどに一台追加するという。

ガスタービン発電機の設置などで十分な大容量電源が確保できるのは「二〇一二年度初め」(九州電力)、「二年程度」(北陸電力)と比較的時間がかかる施設 と、秋−年内という東北電力東通原発(青森県)、日本原電東海第二原発(茨城県)、関西電力、中国電力、「速やかに」(四国電力、原子力機構)などに分か れている。

(東京新聞)

福島2号機 建屋水位 変化なし

2011年4月25日 夕刊

 福島第一原発の事故で、東京電力は2号機のタービン建屋と立て坑にたまっている高濃度汚染水の移送を続けているが、建屋の水位に変化はなく、立て 坑の水位低下もペースが鈍い。東電は、建屋の水を早期に抜き、冷却機能の復旧につなげたい考えだが、今後、日程変更を迫られる可能性もある。

 東電は、2号機のタービン建屋などにたまった約二万五千トンの高濃度汚染水を、集中廃棄物処理施設(容量三万トン)に移送する作業を十九日午前に開始。二十五日までに千四百十トンを移送し、約一カ月かけ約一万トンを移送する予定。

 現在、炉心には一日当たり約百六十トン注水しているのに対し、約二百四十トンを移送しており、建屋内の汚染水は一日約八十トン減る計算だ。

 建屋とつながっているとされる立て坑の水位(地上部から水面まで)は、十九日は八十センチだったのが、徐々に下がり、二十五日には八十八センチとなった。

 ただし、肝心のタービン建屋の水位は三メートル十センチで、移送開始当初から変わっていない。

 経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は二十五日午前の会見で、「現在は、炉心に注水しながらのテスト的な移送。うまくいけば、十日やっ た後、ポンプの数も増やすことになっている」と説明。移送と並行して、新規の水を使わない循環型の冷却設備の設置を目指す方針を示した。

最大放射線量、栃木が平常値超す 福島、茨城は減少

東北、関東各都県で23日午後5時から24日午後5時に観測された最大放射線量は、文部科学省によると栃木が毎 時0・068マイクロシーベルトとなり、震災前の最大平常値を上回った。22~23日に比べ宮城は0・082マイクロシーベルトに上昇。一方で茨城は0・ 122マイクロシーベルトに低下。福島も1・800マイクロシーベルトに減少した。

福島第1原発の北西約30キロの福島県浪江町で24日午前10時28分に24・2マイクロシーベルトを観測した。

福島地方気象台の予報では、25日の原発付近は西寄りの風、朝から昼すぎは南東の風。

2011/04/24 21:25   【共同通信】

原発一時帰宅、15歳未満認めず 政府が許可基準

政府は25日までに、福島第1原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」への一時帰宅の許可基準を決め、区域内の 各市町村に伝達した。(1)1世帯当たり1人で15歳未満は認めない(2)放射線量を1ミリシーベルト以下に抑えるため、警戒区域の滞在は5時間(3)食 品や家畜の持ち出しは認めない―などで、自家用車やペットの持ち出しは別途検討している。

原子力災害対策本部は各市町村の準備が整い次第、実施したいとしている。

一時帰宅では防護服を着用し、個人線量計を装備。自治体職員や東京電力の社員などが引率し地区ごとにまとまって バスで移動し、連絡用に無線なども携帯する。在宅は最大2時間に設定。半径3キロ圏内は放射線量が高いため、一時帰宅は認められない。違反した場合、10 万円以下の罰金などが科せられる。

2011/04/25 13:03   【共同通信】

福島県 5公園の放射線量、利用制限基準超える

2011年4月25日0時13分

 福島県は24日、県内5カ所の公園の放射線量が、校舎や校庭を利用できるか判断する目安となる国の基準を超えたと発表した。県は、公園管理者に利用制限の対象とするよう要請するという。

国は暫定的な利用基準として、校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上では屋外活動を制限することとしている。県は、小中学校や高校、公園な ど計46施設を22日に調査。そのうち、福島市、郡山市、二本松市、本宮市の5公園で、3.8〜3.9マイクロシーベルトを検出したという。

県は25日にも5公園に看板を設置し、利用は1日あたり1時間程度とすることや、砂場の利用を控えることなどを求めていくという。

5公園は次の通り。信夫山子供の森公園(福島市)▽新浜公園(同)▽酒蓋公園(郡山市)▽日渉公園(二本松市)▽岩角農村公園(本宮市)。

福島市公園に注意呼び掛ける看板 基準上回る線量

2011年4月25日 12時56分

 福島市は25日、大気中から国の基準(毎時3・8マイクロシーベルト)以上の放射線量が検出された市内の二つの公園に「利用は1日あたり1時間程度としてください」と注意を呼び掛ける看板を設置し、砂場はブルーシートで覆った。

福島第1原発から60キロ以上離れているにもかかわらず、基準と同じ放射線量が検出された「信夫山子供の森公園」。いつもなら子どもたちの声が響き、桜の花見客でにぎわうが、この日は人の姿は全くなかった。

市公園緑地課の職員は「いい公園にするために頑張ってきたのに…」と話し、近所の女性(78)は「子どもの声が聞こえなくて寂しい。こんなに静かな春は初めて。原発事故がただただ悔しい」と涙を浮かべた。

福島市の中心部にあり、基準を0・1ポイント上回った新浜公園にも看板が設置された。

(共同)

福島県本宮市のシイタケ出荷停止、いわき市は解除 政府が指示

2011/4/25 12:33

 政府は25日、食品衛生法に基づく暫定規制値を超える放射性物質を検出したとして、福島県本宮市で露地栽培された原木シイタケの出荷停止 を指示したと発表した。一方、同県いわき市の露地栽培の原木シイタケについては3回連続で暫定規制値を下回ったため、出荷制限を解除する指示を出した。

 厚生労働省によると、本宮市で21日に採取した原木シイタケから1キログラム当たり1020ベクレル(暫定規制値は同500ベクレル)の放射性セシウムが検出された。同県は24日付で生産者などに出荷を自粛するよう要請している。

福島・本宮市産のしいたけに出荷制限

政府の原子力災害対策本部は、福島県産の屋外栽培の原木しいたけについて、本宮市産については出荷制限を指示し、いわき市産のものについては出荷制限の解除を指示しました。

「福島県本宮市において産出された露地栽培の原木しいたけについて、出荷制限を設定しました。また一方で、同県いわき市において産出された露地栽培の原木しいたけについては出荷制限を解除することとしました」(枝野幸男官房長官)

本宮市の屋外栽培の原木しいたけについては、21日に採ったものから暫定規制値のおよそ2倍の1キログラムあたり1010ベクレルの放射性セシウムが検出 されたことが、24日に明らかになりました。この結果を受け、政府の原子力災害対策本部は25日、新たに出荷制限を指示しました。

一方、いわき市産のしいたけについては、13日から出荷規制の対象となっていましたが、その後、3回の検査で暫定規制値を下回ったことから出荷規制を解除しました。

福島県では引き続き、飯館村など17市町村で屋外栽培の原木しいたけの出荷制限が続いています。(25日12:45)

がれき撤去後、放射線量低下 東電、汚染マップを公表

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 東京電力が作業員に情報提供している福島第1原発敷地内の「汚染マップ(サーベイマップ)」

福島第1原発事故で、東京電力は24日、建屋周辺で放射線量を計測し、作業員に情報提供している「汚染マップ (サーベイマップ)」を公表した。明らかになったのは23日午後5時20分までのデータを記載したマップで、3号機近くで20日に見つかった毎時900ミ リシーベルトの高線量のがれきが撤去され、付近の線量が低下したことが分かる。

20日夜のデータと比較すると、3号機西側の消火系配管付近にあった900ミリシーベルトのコンクリート片が撤 去(21日)され、付近の線量は70ミリシーベルトに低下。しかし3号機の周りは依然、高い線量が続いており、300ミリシーベルトのがれきが残っている ほか、3~60ミリシーベルトの場所が多数確認されている。

東電によると、3月22日から1~6号機の原子炉建屋周辺の線量計測を開始。データは順次更新して事故対応拠点となっているJヴィレッジ(福島県広野町など)で作業員向けに掲示、経済産業省原子力安全・保安院など関係機関にも提供している。

東電は遠隔操作の重機でがれきの撤去を続けているが、完了まで半年程度かかる見込み。事故収拾に向けて発表した工程表に支障が出るかについては「大きく影響することはない」としている。

2011/04/24 15:32   【共同通信】

福島第1原発:1号機初日から水位低下 燃料棒露出寸前に

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の1号機で、原子炉圧力容器内の水位が被災直後の3月11日夜の時点で燃料棒が露出する寸前まで減っ ていたことが8日分かった。1号機では翌12日午後、炉心溶融による水素爆発が発生。東電は爆発の18時間前には炉心溶融の兆候をつかんでいたと見られる が、結果として対応が遅れ、爆発による放射性物質の放出という最悪の事態を招いた。

東電が8日午前、初めて公表した水位データで判明した。データは地震直後の3月11日午後7時半から13日午前7時半までの、1~3号機の圧力容器内の水位や圧力の数値。

圧力容器内の燃料棒(長さ4メートル)は通常、完全に水没しており、水位は燃料棒の頭頂部から4メートル以上ある。ところが公表されたデータによ ると、11日午後9時半の時点で1号機の水位は燃料棒の頭頂部からわずか45センチまで減少していた。2号機は午後10時現在で3.4メートル、3号機は 約4.5メートルだった。

1号機の水位はその後1.3メートルまで回復したが、再び急低下。12日午前8時36分には水位が燃料棒の先端と同じ高さまで下がり、燃料棒の露 出が始まった。水素爆発が起きる直前の同日午後3時28分の水位はマイナス1.7メートルで、燃料棒の半分近くが水面上に露出している状態だった。東電に よると、1号機の燃料棒は現在、最大70%が損傷しているとみられる。

東電が1号機の圧力容器内に冷却のための海水を注入し始めたのは12日午後8時20分だった。

当日の水位データを発生から4週間近くたって公表したことについて東電は「これまではデータが整っていなかった。国には随時報告しており、隠す意図はなかった」と説明している。【江口一】

毎日新聞 2011年4月8日 12時31分(最終更新 4月8日 13時02分)

チェルノブイリ原発事故:発生25年 ウラジーミル・アスモロフ氏の話

 ◇「原発は安全」ソ連も日本も言っていた--事故当時に原子力研究所勤務、ウラジーミル・アスモロフ氏(65)

チェルノブイリ原発事故当時は旧ソ連の原子力研究所で働いていた。緊急対策から再発防止策までさまざまな対応に当たった。当時は十分な知識がなかったが、政府委員会が設立され、強力な指揮系統の下で国内の全精力がつぎ込まれた。

その点で福島第1原発事故への日本の対応は適切ではなかった。原発事故は戦争のようなもので、確固たる権限を与えられた専門家が現場の近くに陣取って指揮すべきだ。首相官邸から指示を出すことは無理で、政府は専門家を支援する役回りに専念すべきだった。

福島で最初の1週間に起きた出来事は原発事故の「教科書」に書かれているもので、予測がついた。我々は事故後に訪日して日本側へアドバイスした が、彼らは数日たつまで聞き入れようとしなかった。これはソ連時代の体験を思い出させる。私はチェルノブイリ事故前の84年、当時のエネルギー相に原発の 重大事故を想定した研究が必要であると進言したが、「ソ連の原発は安全だ」と言われ取り上げられなかった。日本政府や東京電力が「我々の原発は安全だ」と 言い続けたことに似ている。

福島原発は今後、当面はこれ以上の汚染水の流出を避けて冷却を続けていくしかない。(原子炉の解体方法など)次の段階の決断まで5~6年の期間が 求められるだろう。とにかく時間の経過が必要だ。福島は(炉心溶融を起こした)米スリーマイル島原発事故と類似点が多い。米国が施した措置も参考にすべき だ。【聞き手・モスクワ大前仁】

毎日新聞 2011年4月25日 東京朝刊

チェルノブイリ原発事故:発生25年 放射線障害、孫の代まで

 ◇3キロから避難、苦しむ一族 因果関係調査なし

旧ソ連・ウクライナで86年に起きたチェルノブイリ原発事故は、発生から25年となる今も深い傷痕を残している。当時の周辺住民は今なお健康被害 に苦しみ、事故との関連が認められず切り捨てられる例も多い。被ばくとの因果関係がきちんと解明されていないためだ。大気中に放出された放射性物質のレベ ルは大きく違うとはいえ、福島第1原発事故でも周辺住民への長期にわたる健康調査と配慮が求められる。【キエフで田中洋之】

「(当時のソ連)政府は深刻な問題は起きないといっていた。それなのに……」

ウクライナの首都キエフ北東部のデスニャンスキー地区にある自宅アパートで、ナジェージュダさん(56)は孫のイリヤ君(3)を抱きしめた。次女 オリガさん(32)の三男イリヤ君は心臓弁膜症とダウン症に苦しむ。オリガさんは「こちらの話すことは理解しているのですが、言葉が出ないのです」と顔を 曇らせた。

25年前。ナジェージュダさんは、原発職員だった夫と娘2人と一緒に原発から約3キロ離れたプリピャチに住んでいた。原発労働者の町として建設さ れ、当時の人口は約5万人。当時としては最先端の設備がそろい、自然も豊かで住みやすかったという。住民の平均年齢は26歳と若く、活気にあふれていた。

事故は4月26日午前1時20分ごろ起きた。「深刻な事故とは知らされず屋内退避の指示もなかった。その日は土曜日で暖かく、子供たちは日中、外 で遊んでいた」。住民に避難命令が出たのは翌27日。「(健康被害を抑える)ヨウ素剤も支給されなかった」とナジェージュダさんは振り返る。

半年後に今のアパートに入ったが、しばらくして家族に健康被害が認められるようになった。別のアパートに暮らす長女レーシャさん(35)は6年 前、甲状腺に異常が見つかり、手術で甲状腺を全摘出した。レーシャさんの3人の子供も病気がち。ナジェージュダさんとオリガさんも頭痛などの体調不良に悩 まされてきた。

オリガさんの長男(14)は妊娠6カ月の早産で、次男(10)もぜんそくを患う。イリヤ君は病気のため幼稚園から入園を拒否された。オリガさんは「小学校にはちゃんと通えるといいのですが」と話す。

イリヤ君は病気と原発事故の関連が認定され、月に166フリブナ(約1700円)の手当を国から支給される。だが、ほかの5人の孫たちは事故と健 康障害の関連が認定されず、プリピャチ出身者の子供向けの手当、月16フリブナ(約160円)しか受け取れない。被災者の医療支援を行っているウクライナ の民間組織「チェルノブイリの医師たち」のニャーグ代表は「放射線と病気の因果関係の解明につながる統計や調査は、費用がかかることもあり行われていな い」とウクライナ政府の対応を批判する。

ナジェージュダさんが住む地区には約2万人のプリピャチ出身者がまとまって暮らす。元住民でつくる自助組織「ゼムリャキ(同郷人たち)」は互いの きずなをつなぎとめる文化活動を続ける一方、先天的な障害をもって生まれる子供たちを救済するプログラムをつくった。だが事故から25年が経過し、スポン サー探しは難しくなっているという。ゼムリャキ代表のクラシツカヤさん(55)は「次世代の子供たちに健康被害は広がっている。チェルノブイリの悲劇は決 して終わっていないのです」と話した。

 ◇放出続く福島 毎日154テラベクレル

国際評価でレベル7という最悪の原発事故が、四半世紀を経て東京電力福島第1原発でも発生した。

「予断を許さないという点で、チェルノブイリより深刻だ」と笠井篤・元日本原子力研究所室長は指摘する。

チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質は520万テラベクレル(テラは1兆倍)と推定されている。爆発で一気に放出された分、発生から約 10日間でほぼ止まった。これに対し、福島第1原発事故では37万~63万テラベクレルとチェルノブイリ原発事故の約1割で、経済産業省原子力安全・保安 院は「大半は原子炉内に閉じ込められている」としている。しかし、内閣府原子力安全委員会によると、事故から約1カ月後の今月5日時点で1日当たり154 テラベクレルが放出されている。今も本来の冷却システムが復旧しておらず、余震による影響や水素爆発が懸念され、新たな大量放出も起こりかねない。

事故処理にも違いがある。チェルノブイリ原発はコンクリートで建屋を覆う「石棺」で放射性物質の拡散を防いだが、福島第1原発は1、3号機で格納 容器全体を水で満たす「水棺」の検討が進む。東電は、原子炉の安全な状態である「冷温停止状態」まで最短6~9カ月かかるとしているが、見通しは立ってい ない。

福島第1原発では、がん発症率が0・5%増えるとされる100ミリシーベルトを上回る放射線を浴びた作業員は23日現在、30人に上る。被害の実 態はまだ把握できないが、松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は「チェルノブイリ原発事故では各国の研究機関が綿密な健康調査をした。日本政府 は、住民や作業員の心身両面の健康状態を追跡する態勢を早急に確立すべきだ」と訴える。【中西拓司】

毎日新聞 2011年4月25日 東京朝刊

福島原発1・3号機、本格冷却なおリスク
効率的な供給課題、循環システムも必要

2011/4/23 0:33

 経済産業省の原子力安全・保安院は22日、東京電力の福島第1原子力発電所1号機に続き3号機でも、格納容器に水がたまり始めたことを明 らかにした。東電はこのまま水をため、内側の圧力容器を水で覆って燃料棒を冷やす計画。ただ水の効率的な供給や、温まった水を冷やして戻す循環システムも 必要で、十分な冷却効果が得られるまでには課題も多い。

 東電や保安院によると1、3号機とも圧力容器に入れた水が熱せられ水蒸気となって格納容器に出て凝結、水に戻ってたまっているとみられる。圧力容器が損傷し水漏れしている可能性もある。

 東電の「工程表」では3カ月程度を目標に、燃料上部にあたる高さまで格納容器を水で満たすとした。圧力容器を外から冷やして燃料棒の熱を奪い「冷温安定」を急ぐ。

 ただ格納容器内の水蒸気が水になると相対的に水素濃度が上がり、水素爆発が起きる懸念もある。予防のため1号機では安定した窒素ガスを注入し続けているが、3号機は遅れている。保安院は22日の記者会見で、「3号機はまだ1号機の前の段階」と説明した。

 がれきなどを撤去して窒素注入装置を動かす準備を急ぎ、最適な水量を見極めたうえで格納容器を本格的に水で満たす。順調に水位が上がり燃料棒が冷えれば、水素爆発の心配は薄れる。

 東京工業大学の二ノ方寿教授は格納容器から水が漏れだすことを懸念する。「格納容器とその下部の圧力抑制室をつなぐ配管などが今後の余震で損傷し、汚染水が周囲にこぼれる可能性を考慮する必要がある」という。

 今後、外部からの注水をやめて格納容器の水を熱交換器などを通して冷やし、循環させられるかどうかが工程実現のカギとなる。配管工事などには時間がかかる。その先の道のりも長い。エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「格納容器を水で満たしても、2年程度は冷やし続ける必要がある」とみている。

水棺、1号機で順調

2011年4月23日 13時59分

写真福島第一原発の事故で、東京電力は二十三日、格納容器内を水で満たす「水棺(すいかん)」作業が続く1号機で、水が圧力容器の下部付近まで達しているとの見方を示した。間もなく圧力容器下部の温度計に触れ、水位を把握できるとみられる。

東電や経済産業省原子力安全・保安院によると、1号機の燃料棒を冷やすための注水が圧力容器から格納容器に流れ出るなどし、水位は圧力容器下部付近まで達 している。水素爆発を防ぐための窒素注入による格納容器内の圧力変化から気体部分の体積を計算し、残りを水として水位を推計した。

圧力容 器下部の温度計に水が接すれば、温度変化から水位を把握できる。これまで正確な水位は把握できていなかった。1号機の格納容器の底から圧力容器下部までは 約九メートルある。保安院は「(圧力容器下部に)触れていそうな予想もできるが、温度には表れていない」としている。

東電は、満水にした場合も格納容器の耐久性に問題はないとしているが、窒素注入では想定より圧力が上がらず、水の漏えいも今後考えられる。

(東京新聞)

「排気の遅れ、水素爆発招いた」 米紙が原発事故分析

2011年4月23日21時20分

23日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、福島第一原子力発電所の事故について、放射性物質の外部放出を懸念し、東京電力が格納容器内のガスの排出をためらったことで水素爆発を招いたとする分析記事を掲載した。

同紙は、同原発1号機は地震・津波の発生から半日たった3月12日午前2時半に格納容器内の圧力が2倍に達し、東電は排気を決めたとしている。

しかし、準備などに手間取り、実際に排気できたのは同日午後。その約1時間後に水素爆発が起きて原子炉建屋が破壊された。これに伴う炉心の損傷はなかっ たが、「壁」の一つが失われたことでその後の大量の放射性物質の放出につながったほか、炉の冷却のための作業を妨げる原因にもなった。

同紙によると、日米の専門家は排気の遅れで水素爆発が起きやすい条件ができたと考えている。放射性物質と水素を含む格納容器内のガスは、排気専用のパイ プを経由して建屋の外にある排気塔に導かれるが、圧力が2倍になるまで待ったため、パイプの継ぎ目などからガスが漏れやすくなり、建屋内に充満した可能性 があるという。

専門家は「放射性物質の放出を心配するあまり排気に慎重になったことが、事態を悪化させたようだ」とみている。水素爆発の防止を重視する米国は、格納容 器内の圧力が耐圧の上限に達する前でも早めに排気を行うことにしており、同様の方針は韓国や台湾でも採用されていると指摘している。

米国では、1979年のスリーマイル島原発事故で作業員の判断ですばやく排気が行われ、原子力規制委員会(NRC)が追認したが、日本では排気は「最後 の手段」として、電力会社のトップや政府の判断を待ってから行う体制。記事はこうした考え方の違いも排気の遅れにつながった可能性を指摘した。(パナマ 市=勝田敏彦)

東日本大震災:福島第1原発事故 1号機、格納容器内水6メートル 水棺、事実上進む

 東京電力は23日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器に深さ約6メートルの水がたまっていることを明らかにした。格納容器を燃料棒の上部まで水 で満たして原子炉を冷やす「水棺」作業は、事故収束に向けた工程表で最初の3カ月目標に掲げた対策の一つ。同社が意図しない形で事実上の水棺状態が進行し ているとみられるが、このまま燃料棒上部まで水位が上がるかどうかについては不確定要素もある。

東電によると、1号機は燃料棒の損傷が推定70%と最も激しく、圧力容器にこれまで約7000トンを注水して冷却を続けてきた。ここで発生した蒸 気が格納容器に移って水になっている可能性や、圧力容器と直結する配管などが地震で損傷し、格納容器に水が漏れ出ている可能性が考えられるという。

水位は、水素爆発を防ぐための窒素注入による格納容器の圧力変化から東電が推計した。その結果、格納容器下部にある圧力抑制プールは既に満水と なっており、「ドライウェル」と呼ばれるフラスコ状の球形部(直径17・7メートル)も深さ約6メートルの水がたまっていることが分かった。

2、3号機も同様に圧力容器への注水が続けられているが、2号機では圧力抑制プールが破損し、高濃度の放射性汚染水が外部へ漏れ出ており、格納容器内の水のたまり具合は分かっていない。

一方、水棺方式には課題もある。格納容器には既に容量(約6000立方メートル)の2倍近い窒素約1万700立方メートルを注入しているが、一定 以上に圧力が高まっていない。容器の損傷も考えられ、このまま水位が上がれば、損傷部からの水漏れが懸念される。耐震性は「最終チェックしている段 階」(経済産業省原子力安全・保安院)の上、長期的には高濃度に汚染された水の処理も必要となる。【八田浩輔、阿部周一】

毎日新聞 2011年4月24日 東京朝刊

1号機「水棺」作業、事実上進行 圧力容器から注入水漏れる

 20日、小型の無人飛行機から撮影した福島第1原発の1号機(エア・フォート・サービス提供)

福島第1原発事故で、東京電力と経済産業省原子力安全・保安院は24日までに、1号機の原子炉圧力容器内の燃料 を冷却するため、圧力容器に注入している水が外側の格納容器に漏れ出してたまり、結果的に圧力容器ごと水に浸して冷やす「水棺」にする作業が進んでいると の見方を示した。

事故の収束に向けた「工程表」で、東電は1、3号機を水棺にする方法を提示。2号機も、格納容器の損傷箇所を密閉した上で水棺にするとしている。1号機では意図せずに水棺作業が始まっていたことになる。

1~3号機では、圧力容器から格納容器の圧力抑制プールに蒸気を送る配管で、通常は閉じている弁が開放されている。このため圧力容器内の蒸気が格納容器内で水となったか、圧力容器の底に破損部分があって水が漏れ、格納容器にたまったとみられる。

東電によると、1~3号機の格納容器は丸底フラスコのような形。1号機では少なくとも底から約6m水がたまっているとみられる。球形部分の約半分に当たり、あと約3m水位が上がると圧力容器の底に達する。

保安院は、この状態での格納容器の耐震性は「分からない」とし、水棺にする前に、余震の揺れや水の重さに耐えられるかなどを確認するよう東電に求めている。

東電と保安院は、水をためるだけより、効果的に冷却を進めるため、格納容器にたまった水をいったん外に出し、冷 やしてから戻す循環システムをつくる方針。水の冷却法として、保安院は「空気で冷やす空冷装置が有望」、東電は「水で冷やす水冷装置の方が冷却効率が良 い」としている。

2011/04/24 22:04   【共同通信】

避難準備区域…平時と同じ?帰れる状況にない?

福島第一原発の20キロ圏外で政府が設定した緊急時避難準備区域を巡り、福島県内の地元自治体の対応が分かれている。

「平時」移行へのステップとする南相馬市では、住民の帰宅が相次ぎ、24日には群馬県片品村から避難準備区域の住民ら80人が集団帰宅した。一方、広野町などは「状況に変化はない」として避難態勢を緩めない。

「避難準備区域の設定と同時に屋内退避は解除された。平時と同じ屋外活動が保証されたと思っている」。南相馬市の桜井勝延市長は22日、区域設定 を受けた記者会見で強調した。同市の避難準備区域の対象は約4万7000人で、地元に残った人は3月下旬には約1万人にまで減ったが、現在は3万〜4万人 に増えた。

桜井市長は、高齢者や妊婦、子供らの継続的避難は必要としつつも、避難準備区域の企業に営業再開を働きかけるなど、「復興」への姿勢を前面に打ち出す。

市によると、地元の二つの金融機関が25、26日に相次いで窓口業務を再開するほか、ガソリンスタンドも午前だけの営業から通常営業に切り替え、スーパーも再開の準備を始めている。

人口約5400人の広野町は全域が避難準備区域。現在約170人が町内にとどまる。町は「原発事故は収束せず、ライフラインも復旧していない。家 族そろって帰れる状況にはない」と判断。避難所に身を寄せる町民に避難の継続を呼びかける。いわき市に置いた役場機能も現状では戻さない方針だ。ただ、 「逃げる準備はするから帰ってもいいか」との問い合わせも多く、町に戻る町民が増えることも予想されるため、町は防災無線要員を町役場に置くことを決め た。

(2011年4月25日04時39分  読売新聞)

「チェルノブイリ」生かしてない…国際科学会議

【キエフ=寺口亮一】25年前に起きたチェルノブイリ原発事故の教訓を検証するため、ウクライナのキエフで開かれていた国際科学会議は最終日の22日、3日間の日程を終えて閉幕した。

22日は専門家が、「原発事故から環境を保護する国際憲法の創設」「安全基準の見直し」「住民への情報提供や透明性の拡大」などを提言した。

福島第一原発事故への関心も高く、「東京電力は情報を十分に開示していない。情報を秘匿して健康被害を拡大させたチェルノブイリの経験を生かしていない」と厳しい意見も出た。

(2011年4月22日21時17分  読売新聞)

福島第1原発:放射性物質放出 毎日154テラベクレル

 国際評価でレベル7という最悪の原発事故が、四半世紀を経て東京電力福島第1原発でも発生した。

「予断を許さないという点で、チェルノブイリより深刻だ」と笠井篤・元日本原子力研究所室長は指摘する。

チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質は520万テラベクレル(テラは1兆倍)と推定されている。爆発で一気に放出された分、発生から約 10日間でほぼ止まった。これに対し、福島第1原発事故では37万~63万テラベクレルとチェルノブイリ原発事故の約1割で、経済産業省原子力安全・保安 院は「大半は原子炉内に閉じ込められている」としている。しかし、内閣府原子力安全委員会によると、事故から約1カ月後の今月5日時点で1日当たり154 テラベクレルが放出されている。今も本来の冷却システムが復旧しておらず、余震による影響や水素爆発が懸念され、新たな大量放出も起こりかねない。

事故処理にも違いがある。チェルノブイリ原発はコンクリートで建屋を覆う「石棺」で放射性物質の拡散を防いだが、福島第1原発は1、3号機で格納 容器全体を水で満たす「水棺」の検討が進む。東電は、原子炉の安全な状態である「冷温停止状態」まで最短6~9カ月かかるとしているが、見通しは立ってい ない。

福島第1原発では、がん発症率が0.5%増えるとされる100ミリシーベルトを上回る放射線を浴びた作業員は23日現在、30人に上る。被害の実 態はまだ把握できないが、松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は「チェルノブイリ原発事故では各国の研究機関が綿密な健康調査をした。日本政府 は、住民や作業員の心身両面の健康状態を追跡する態勢を早急に確立すべきだ」と訴える。【中西拓司】

毎日新聞 2011年4月25日 1時02分(最終更新 4月25日 1時09分)

福島第1原発:学校の屋外活動制限 同じ敷地で違う判断

 東京電力福島第1原発の事故は、避難の対象区域から離れた福島・伊達・郡山の3市の学校現場にも影を落とす。文部科学省は基準値以上の放射線量が 測定されたとして、3市の小中学校、幼稚園、保育園の13校・園に「屋外活動を1日1時間以内とする」などの通知をした。対象校に通う小学生の母親は「我 が子に『いつ(事故は)終わるの』と聞かれるたび、つらくなる」と話す。放射線への不安や国の対応への不満の声が保護者や学校現場から上がっている。【河 津啓介、八田浩輔、蓬田正志】

第1原発から北西に60キロ以上離れた福島市立福島第三小。19日の文科省の通知で屋外活動が制限され、桜が残る放課後の校庭に児童の姿はない。 同じ敷地内にある幼稚園はしかし、同省の放射線量の基準値未満だった。渋谷朗校長兼園長は当惑を隠せない。「安心安全を考え、幼稚園も同様に屋外活動を控 えている。兄、姉が小学校にいる園児もおり、配慮が必要」という。

文科省の基準値は毎時3.8マイクロシーベルトで、年間20ミリシーベルトを超えない線量。これは飯舘村などが指定された計画的避難区域の基準と同じ数字だ。「仮に基準以上(の学校)でも健康被害は起きない」という国の説明を素直に受け取る保護者は多くない。

21日、福島市であった制限対象校の保護者説明会では、親から疑問や注文が続出した。中学生の娘を持つ母親は「国は(水素)爆発が起きて線量が一 番高かった3月中旬に何もしなかった」と批判した。別の母親は「将来子供に何か起きても『想定外だった』と言われそう。行政は集団疎開の実施も考えてほし い」と訴えた。

福島県内の多くの学校は4月から、自主的に屋外活動を控えてきた。保護者の不安が増す中、基準値を超えていなくても活動自粛の継続を求める市町村 教委も出てきた。二本松市教委の幹部は「年間20ミリシーベルト以下」について「大人の基準を子供にあてはめた印象。保護者の理解は得られない」と強調。 制限対象校に準じた対応を各校に求めるという。

安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「国は基準内だからと放置せず、放射性物質が積もった校庭の表土を削り取るなど汚染源を減らす対策を取るべきだ。学校が立ち退くことができない以上、校内の実測データに基づいた対策が望まれる」と話す。

毎日新聞 2011年4月23日 11時57分(最終更新 4月23日 12時34分)

福島第1原発:1号機格納容器内に水6メートル

1号機の格納容器内の水位(推定) ※東電発表に基づく

1号機の格納容器内の水位(推定) ※東電発表に基づく

東京電力は23日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器に深さ約6メートルの水がたまっていることを明らかにした。格納容器を燃料棒の上部まで水 で満たして原子炉を冷やす「水棺」作業は、事故収束に向けた工程表で最初の3カ月目標に掲げた対策の一つ。同社が意図しない形で事実上の水棺状態が進行し ているとみられるが、このまま燃料棒上部まで水位が上がるかどうかについては不確定要素もある。

東電によると、1号機は燃料棒の損傷が推定70%と最も激しく、圧力容器にこれまで約7000トンを注水して冷却を続けてきた。ここで発生した蒸 気が格納容器に移って水になっている可能性や、圧力容器と直結する配管などが地震で損傷し、格納容器に水が漏れ出ている可能性が考えられるという。

水位は、水素爆発を防ぐための窒素注入による格納容器の圧力変化から東電が推計した。その結果、格納容器下部にある圧力抑制プールは既に満水と なっており、「ドライウェル」と呼ばれるフラスコ状の球形部(直径17・7メートル)も深さ約6メートルの水がたまっていることが分かった。

2、3号機も同様に圧力容器への注水が続けられているが、2号機では圧力抑制プールが破損し、高濃度の放射性汚染水が外部へ漏れ出ており、格納容器内の水のたまり具合は分かっていない。

一方、水棺方式には課題もある。格納容器には既に容量(約6000立方メートル)の2倍近い窒素約1万700立方メートルを注入しているが、一定 以上に圧力が高まっていない。容器の損傷も考えられ、このまま水位が上がれば、損傷部からの水漏れが懸念される。また、水の重量の負荷に伴う耐震性は「最 終チェックしている段階」(経済産業省原子力安全・保安院)の上、長期的には高濃度に汚染された水の処理も必要となる。【八田浩輔、阿部周一】

毎日新聞 2011年4月23日 20時01分(最終更新 4月24日 1時16分)

福島第1原発:4号機プールに2日で280トン注水

 東京電力は23日、高温状態が懸念されていた福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに22~23日に計約280トンを注水し、燃料棒の上部から4メートル弱まで水位が上昇したと発表した。

燃料プールは本来、燃料上部から7メートル上まで水が入っている。しかし、プールの水温が一時91度まで上昇したため注水分の大半が蒸発し、21 日の時点で燃料上部から2メートル弱しか水がないことが判明。このため22、23の両日、140トンずつ水を注入した結果、燃料上部から4メートル弱まで 水位が上がり、水温も66度まで下がったという。

プールには、使用済み燃料棒を束ねた燃料集合体が1~3号機より多い1331体入っている。これまでコンクリート圧送車を使い、1日平均約70トンを注水してきたが、燃料が多いために放出される熱量も高く、水が蒸発して水位が上がらない状態が続いていた。【藤野基文】

毎日新聞 2011年4月23日 19時35分(最終更新 4月23日 21時55分)

4号機プール水温91度、水中撮影を断念

2011.4.22 21:13

 東京電力福島第1原子力発電所事故で、同社は22日、4号機の燃料貯蔵プールをコンクリー トポンプ車を使って調査した。プールの水温が91度と高かったため、水中カメラによる撮影は断念した。また、水面から燃料の上部までは約2メートルで、水 温、水位とも12日と大きな変化はなかった。

東電はポンプ車のアームの先端に測定器やカメラなどを取り付け、水温や水位を調べた。水中カメラでプール内の燃料棒の撮影も行う予定だったが、カメラが50度までしか耐えられないため中止した。今後、水温が下がれば撮影を試みるという。

また東電は同日、2号機近くの配管トンネル「トレンチ」にたまった高濃度の放射性物質(放射能)を含む汚染水を、集中廃棄物処理施設に移す作業を継続。同 日午後6時までに約800トンを移送し、トレンチの立て坑の水位は地表まで87センチとなり、移送開始前から7センチ下がった。

4号機核燃料プール、水中カメラで撮影へ 燃料棒を直接確認

2011.4.22 12:22
福島第1原発4号機の原子炉建屋。無人ヘリで撮影された=4月10日(東京電力提供)クリックして拡大する福島第1原発4号機の原子炉建屋。無人ヘリで撮影された=4月10日(東京電力提供)

 東京電力福島第1原子力発電所事故で、同社は22日、4号機の核燃料貯蔵プールの水位などを、大型のコンクリートポンプ車を使って直接調査すると発表した。水中カメラも使用し、プール内の燃料棒の状態の撮影も試みる。

ポンプ車のアームで、水中カメラやセンサーなどをプール内につり下げ、水中撮影のほか、水位や水温、放射線量などを調べる。22日から作業を始める。

4号機のプールは、ポンプ車による注水が続けられている。12日にポンプ車を使ってプールの水を採取した際には、水位が数メートル低下し、燃料棒上部から水面まで約2、3メートルに迫っていたことが確認されている。

また、採取した水からは通常では検出されない放射性セシウムなどが検出されており、燃料棒損傷の可能性が指摘されている。

福島第1原発の4号機、燃料プール補強へ
耐震性に課題、月内にも工法決定

2011/4/24 20:19

 東京電力/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0002021;dv=pc;sv=NXは福島第1原子力発電所4号機の使用済み核燃料プールの補強工事を近く始める。月内をメドにプールの底を下の階からコンクリート製の柱で支える案を軸に、工事方法を詰める。4号機は原子炉建屋の壁が壊れており、プールの耐震性に課題があると指摘されてきた。

 東日本大震災発生時に定期点検中だった4号機の核燃料プールには、熱を持つ燃料棒の集合体が福島第1原発の中では最も多い1535体ある。水温が上昇し水蒸気の発生で燃料が露出すると、新たな破損や爆発が起きると懸念されている。

 プール脇の壁が崩壊しており、注水量は慎重に調整してきた。24日も前日より25トン多い165トンを注水、24日正午に86度だった水温は5度下がった。

 24日に公表した原発敷地内の放射線量地図によると、1~3号機に比べ4号機付近の線量は100分の1で、工事に着手しても作業員の安全性は確保できるとみている。

 1~3号機では24日も圧力容器への注水が続いた。1号機では、事実上の「水棺」が行われているが、格納容器の圧力が下がってきた。破損している可能性もあるため、慎重に作業を進める。

注水で燃料プール温度低下 4号機、水位上昇も確認

東京電力は23日、福島第1原発4号機の原子炉建屋上部にある使用済み燃料プールに、コンクリートポンプ車で真 水140トンを注入しながら水温などを計測した。作業前は83度だったが、約4時間にわたる注入後には66度に低下。水位も1メートル上がり、水面から燃 料の上端までが約4メートルになった。

プールには大量の使用済み燃料や新燃料があり、一部は損傷しているとみられている。22日の水温は91度で、蒸発による水位低下や燃料の露出が懸念されていた。

水素爆発によってプール自体の健全性にも懸念があったが、東電は「注水に伴い、想定通りに水位が上がった。プールの壁などに問題はないのでは」としている。

東電はまた、タービン建屋や外の立て坑などにたまった汚染水について、放射性物質の濃度を高、中、低の3段階に分類して外部のタンクに移す計画を明らかにした。

中・低濃度の移送先として、人工の浮島「メガフロート」のほか、計3万1400トン分の仮設タンクを6月初めまでに用意。6月以降も毎月2万トン分ずつ増やす考え。

高濃度用には、7月をめどに仮設タンク1万トン分を用意する。設置場所が足りなければ、敷地内の立ち木を伐採して確保するとしている。

この日は1、3号機の原子炉建屋周辺に散乱している大量のがれきを、遠隔操作の重機で撤去する作業も続行。3号機の近くで、毎時900ミリシーベルトというこれまでで最も高い線量のがれきが20日に見つかり、翌日撤去したことも明らかにされた。

2011/04/23 22:49   【共同通信】

4号機の水位、通常比5メートル低く がれき撤去本格化
福島原発 東電が発表

2011/4/23 12:35

 東京電力は23日、福島第1原子力発電所で復旧作業の障害となっているがれきの撤去を本格化させると発表した。1、3号機の周辺のがれき から回収を始め、7月をめどに敷地全体で作業を完了させる。一方、東電は4号機の使用済み核燃料プールの状態を調べ、燃料棒の上部から約2メートル上まで 水がたまっていることを確認した。通常時に比べ5メートルも低く水温もセ氏91度と高いことから140トンの真水を放水する。

 福島第1原発は敷地内にがれきがちらばり、復旧に必要な設備の搬入・設置の妨げになっているほか、がれきに付着した放射性物質の影響で作業者が近づけない。東電は1、3号機の原子炉建屋周辺で作業を進める。重機やダンプ車などを遠隔操作してコンテナに収容する。

 一方、東電は生コン圧送機のアームの先端に計器類やCCD(電荷結合素子)カメラを装着して4号機の使用済み核燃料プールの状況把握に努め ている。4号機は使用済み燃料プールの水が減り燃料棒が過熱して3月15日に水素爆発とみられる火災が起きた。プールから放射性物質が検出され燃料棒の破 損が疑われている。

 また、汚染水の移送作業も急ぐ。2号機周辺ではトレンチ(坑道)にたまっている汚染水を毎時10トンのペースで集中廃棄物処理施設に移す作業を継続している。

東日本大震災:福島第1原発事故 4号機燃料プール、水温91度高止まり

 ◇低水位状態続く

東京電力は22日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールを、コンクリート圧送車を遠隔操作して測定した。その結果、水温が約91度と高止ま りしたままで、水位も燃料棒の上部から約2メートル上回った程度と低い状態が続いていた。東電は「注水を、燃料棒の発熱による蒸発量に相当する量にとどめ ているため」と説明している。

4号機は3月15日に水素爆発があり海水で冷やす通常の循環冷却装置システムが失われた。その後、外部からの注水で冷やしている。

今月12日にコンクリート圧送車を使って同プールの水を採取した結果、水温が爆発前日の84度を上回る90度で、水位は燃料上部を約3メートル上 回ったが、想定よりも低い状態だったことが判明していた。このため今回は再度、注水の効果を確かめるために温度や水位を調べることにした。

注水量を増やせば、プール内の燃料棒に対する冷却効果は上がるが、放射性物質に汚染された水があふれるというジレンマがあり、安易に増やせないという。

22日は水中カメラで水につかっている燃料棒を直接、撮影して損傷状態などを確認する予定だった。しかしカメラの使用環境は、水温50度が限度とされていたため、撮影を断念した。【江口一、奥山智己】

毎日新聞 2011年4月23日 東京朝刊

福島第1原発:敷地内の汚染地図公表

福島第1原発の主な地点の放射線量※数字はミリシーベルト/時。東電のデータから、4月23日午後5時20分現在

福島第1原発の主な地点の放射線量※数字はミリシーベルト/時。東電のデータから、4月23日午後5時20分現在

東京電力は24日、福島第1原発1~4号機の建屋周辺約150地点の1時間当たりの放射線量を記録した汚染度マップ(23日午後5時20分現在) を公表した。作業員の限度以上の被ばくを防ぐため、3月22日から作製。空間の放射線量では、2号機原子炉建屋西側のがれきが散らかっていた場所が70ミ リシーベルトと最大だった。

空間放射線量は原子炉建屋付近が比較的高く、1号機10~40ミリシーベルト▽2号機3~70ミリシーベルト▽3号機3~60ミリシーベルト▽4 号機0.4~1.1ミリシーベルト。タービン建屋付近は3号機付近が3.5~20ミリシーベルトだったが、ほかでは数ミリシーベルトだった。

1号機と3号機の原子炉建屋付近では数カ所でがれきの線量も測定。20日に3号機付近で見つかった900ミリシーベルトが最大で、その近くに 300ミリシーベルトのがれきもあった。2号機のトレンチ(トンネル)にある高濃度の放射性物質を含む汚染水を集中廃棄物処理施設(集中環境施設)へ移送 する配管の表面は、75~160ミリシーベルトだった。

東電は「現在の線量が作業の工程を大きく左右するものではない」と話している。【奥山智己】

毎日新聞 2011年4月24日 20時59分(最終更新 4月24日 22時14分)

警戒区域内で殺処分開始へ 福島県、衛生上の理由

福島県は24日、福島第1原発から半径20キロ圏の警戒区域内で死にそうになっている牛や豚、ニワトリなどの殺処分を25日から始めると発表した。

県によると、原発事故で警戒区域に指定された地域の家畜殺処分に法的根拠はない。しかし、捜索に入った警察から「家畜が死んだり、死にかかったりしている」との通報が相次いでおり、衛生上の観点から決めた。

県の昨年10月のまとめでは、警戒区域内には376戸の畜舎があり、牛約4千頭、馬約100頭、豚約3万匹、ニワトリ約63万羽が飼育されている。殺処分の対象となる家畜の数は不明だが、県は既に国に対し、死んだ家畜も含めて損害賠償するよう求めている。

25日は南相馬市小高地区に県家畜保健衛生所の職員6人が入り、瀕死状態の家畜は持ち主同意の上で、獣医師が逆 性せっけんを注射して殺処分にする。死んでいる家畜にはうじなどの虫の発生を抑える消石灰を散布、ブルーシートで覆う。解き放たれている家畜は捕獲し、元 の畜舎に戻すという。

防護服を着用した職員らが放射線量を測りながら進める。5月中に警戒区域内の殺処分を終えたいとしているが、高い放射線量が観測された双葉町、大熊町、浪江町で作業できる見通しは立っていない。

2011/04/24 19:03   【共同通信】

福島第1原発:20キロ圏の家畜殺処分へ 飼い主了解得て

 福島県は24日、東京電力福島第1原発の半径20キロに指定された「警戒区域」で、25日から衰弱して瀕死(ひんし)の状態の家畜を薬で安楽死さ せることを決めた。立ち入り禁止区域のため飼い主がおらず、死骸が放置されると衛生上問題があるため、殺処分した後、消石灰で消毒し、シートで覆う。

警戒区域には畜産農家が376戸あり、原発事故前に▽牛4000頭▽豚3万頭▽ニワトリ63万羽▽馬100頭--が飼育されていたが、多数が死んでいるとみられる。

家畜伝染病予防法では、原子力災害時の殺処分は規定がなく強制的にできないため、飼い主の了解を得て実施する。既に死んでいる家畜も消毒する。しかし、埋却など死骸の処理方法は決まっていない。

一方、柵が壊れたり、飼い主が避難前に逃がしたりして野放しの家畜は元気なら畜舎に戻す。餌や水のやり方は今後検討する。

作業には県職員と獣医師らであたり、1日の被ばく量上限の目安を50マイクロシーベルトと定めた。放射線量の高い大熊、双葉、浪江3町への立ち入りは当面見送り、作業方法をさらに検討する。【種市房子】

毎日新聞 2011年4月25日 1時24分

東電、福島第一原発の「汚染地図」初めて公表

東京電力は24日、福島第一原子力発電所内で、高レベルの放射性物質で汚染された場所を示した「汚染地図(サーベイマップ)」を初めて公表した。

水素爆発が起きた3号機周辺は放射線量が毎時300ミリ・シーベルトのがれきが残るなど、爆発から1か月以上たった今も、長時間作業するには高過 ぎる状態が続いていることが浮き彫りになった。しかし、東電は「撤去には半年以上かかるが、汚染地図の内容は(原子炉の安定化に向けた)工程表に織り込み 済みで、遅れは出ない」としている。

地図は敷地内の約230か所で測定した放射線量を示したもの。先月23日に作成した地図によると、大気中の線量が毎時100ミリ・シーベルトを超える場所が、水素爆発の起きた1、3号機周辺を中心に5か所あった。この線量は、1時間の作業で作業員の年間被曝(ひばく)の上限に当たるとされてきた数値だ。

今月23日の地図では、がれき撤去や放射性物質の半減期もあり、同100ミリ・シーベルト超の場所はなくなったが、大気中で同10ミリ・シーベルトを超える場所が1〜4号機周辺だけで30か所以上あった。

(2011年4月25日00時26分  読売新聞)

1、3号機周辺で高放射線=水素爆発影響、がれきから−作業員にマップ・福島第1

  福島第1原発事故で、東京電力は24日、敷地内で測定した放射線量をまとめた「サーベイマップ」を初めて公表した。水素爆発を起こした1、3号機の原子炉 建屋周辺に放射線量が高いがれきが多い。3月22日に作って更新を続けており、作業員に配布したり、宿泊施設に掲示したりして、被ばく量を抑えるのに使っ ているという。
現在も残るがれきの最高線量は、3号機の原子炉建屋近くの毎時300ミリシーベルト。2号機付近にはがれき撤去後も同70ミリシーベルトの地点がある。東電は10日から遠隔操作の重機でがれきの撤去作業を続けている。
20日には3号機近くで同900ミリシーベルトのコンクリート片が見つかり、21日に撤去した。経済産業省原子力安全・保安院によると、測定担当者の当日の被ばく線量は15.7ミリシーベルトに上った。
一方、東電は燃料集合体の数が最も多い4号機の使用済み燃料プールに、コンクリートポンプ車を使って165トンの水を注入。水温は5度下がり81度、水位は1メートル上昇して燃料集合体の上4.5メートルに達した。25日は210トン注水する。
2号機のタービン建屋地下などにたまった高濃度汚染水の集中廃棄物処理施設への移送量は、19日から24日午後6時までに計約1280トンと推定される。しかし、同建屋などの水位は23日から変化がないという。(2011/04/24-22:08)


【福島県飯舘村・現地レポート】
持続可能な村づくりを奪われた村
――原子力災害の理不尽な実態

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自立自給の持続可能な村づくりをコツコツと進めてきた福島県飯舘村。いまでは、村のほとんど が福島第一原発から30km圏の外に位置しながら、土壌の放射線量の高さから「計画的避難区域」に指定された村として有名になってしまった。事故発生から 独自の放射能汚染チームを結成しての現地入り、そして国や県の不可解な対応を、震災前から村づくり支援に関わってきた環境ジャーナリストが報告する。(文 /環境ジャーナリスト、日本大学生物資源科学部非常勤講師 小澤祥司)

超巨大地震と大津波

3月11日午後、私は関西から東京に戻る新幹線のぞみ号の車上にいた。そろそろ岐阜羽島駅に差しかかろうかという時、列車は緊急停車した。無線 LANの使える車両だったたため、パソコンを開きネットにつなぐと、ツイッターのタイムラインは「揺れた」、「大きい」のつぶやきであふれていた。

震源は東北沖、メディアのサイトを含め続々入る情報は断片的なものだったが、ただならぬ事態であることは伝わってきた。阪神淡路を超える大震災に なると直感すると同時に、悪い予感が頭をよぎった。震源地が海なら大津波が押し寄せる。東北から茨城北部の太平洋岸は、北から東通、女川、福島第一・第 二、東海第二と15基もの原発がたち並ぶ。それらが津波に飲みこまれたらどうなるのか。

結局5時間缶詰になり、のぞみ号は夜10時半ごろようやく新横浜までたどり着いた。そのまま待合室で大型テレビに映し出される衝撃的な映像を見ながら、一睡もできずに夜を明かしたのだった。

地震の被害は最小限だったが

福島第一原発の北西30~45kmに位置する福島県飯舘村は、11日の地震で大きな揺れに襲われたものの、幸い被害は小さくてすんだ。しかし、隣 接する相馬市や南相馬市は地震と津波により甚大な被害を受けていた。11日から12日にかけて、村役場は両市からの避難民の受け入れにてんてこ舞いだっ た。人口6000人余りの村に、一時1300人もの避難民が村内の公民館や小中学校などに滞在していた。

そのころ福島第一原発は、地震と津波によりすべての電源を喪失、危機的な状況を迎えていた。運転中の原子炉3基は緊急停止したものの、炉心や使用 済み燃料の貯蔵プールを冷却できない事態に陥っていた。12日にはとうとう1号炉が、14日には3号炉が水素爆発。15日早朝には2号炉で爆発があり格納 容器が損壊、さらに炉内に燃料のないはずの4号炉でも水素爆発と見られる爆発があり、建屋が吹き飛んだ。

避難民を受け入れるどころか、村にも危険が迫っていた。15日午前には飯舘村の南東部の一部を含む20~30km圏に屋内待避勧告が出された。最 大の放射性物質放出があったと見られるこの日、村には南東寄りの穏やかな風が吹いていた。そして夕方からの雨が夜半には雪に変わった。

コツコツと進めてきた
持続可能な村づくり

飯舘村は阿武隈山地の北端にあり、なだらかな山々に囲まれた美しい村だ。平成の大合併時にも独自の道を選び、自立自給の村づくりを進めてきた。

軟らかい木々の芽吹きに満ちた飯舘村の春
Photo presented by Koji Itonaga

東北地方の方言で「までい」という言葉がある。漢字で書くと「真手」。までいにと言えば、手間を掛ける、手を抜かないという意味になる。スローラ イフならぬ「までいライフ」が村づくりのキーワードだ。標高が高くたびたび冷害に見舞われてきた村では、米作中心から20年以上かけて飯舘牛というブラン ド肉牛を育ててきた。村内には3000頭以上の牛がいる。その餌も大半は牧草、稲わらや飼料用トウモロコシを自給する。有機農業を手掛ける篤農家も多い。 至るところに「までい」精神が行き渡っている。

私自身が村に関わったのは、こうした村づくりを支援してきた日本大学教授の糸長浩司らとの出会いがきっかけだ。村が再生可能エネルギー導入の計画 を作る際に、糸長らとともに関わることになった。このとき作成したプランの一つは、2年前、村で最大のエネルギー需用者である特別養護老人ホームに、木質 チップボイラーを導入するかたちで実を結んだ。燃料は村内で調達できる木材。そのボイラーがデンマーク製だったところから、デンマーク大使館から人を招い て行ったシンポジウムには、首都圏からも多くの参加者が集まった。

放射能汚染調査チーム

大阪・熊取町にある京都大学原子炉実験所助教の今中哲二は、3月15日の段階で「福島第一はチェルノブイリのようになる」と確信していた。その後、ぽろぽろと出てくる汚染状況のデータを見て、飯舘村とその周辺に汚染のホットスポットがありそうだと考えていた。

3月22日にはアメリカの国家核安全保障局(NNSA)から、米軍機による放射線調査結果が公表されたが、そこには福島第一原発から北西に飯舘村 あたりまで高濃度区域が伸びていることが示されていた。原子力安全委員会はその翌朝、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)によ る、シミュレーションを発表、図では汚染はやはり北西方面に伸びていた。

朝日新聞は3月25日朝刊一面で、「飯舘村では20日に土壌1キログラムあたり16万3000ベクレルのセシウム137が出た」と報じた。村は文 科省が土壌調査を行ったことは知っていたが、その結果は村には知らされず、一方的に発表されたものだった。この記事の中で今中は、チェルノブイリなら強制 移住になっていた「避難が必要なレベル」とコメントした。

事故以来、糸長らとともに「飯舘村後方支援チーム」として、情報収集やメディアへの対応にあたっていた私は、すがる思いで今中に電話した。この状況をどう判断したらいいのか、何か対策はないのかと。

今中は、「この時点でしっかり汚染の状況を把握しておくことが必要だ」と言った。そのために自ら現地に調査に行く予定だという。

「(週明けの)月曜にから現地に入る。日曜日に東京に行くからミーティングに参加してほしい」

ようやく東北自動車道が再開したばかり、まだ新幹線は那須塩原までしか動いていなかったため、現地には東京からレンタカーで向かうという。私たち は調査団の受け入れのため、ばたばたと村役場と調整を取った。その時には現地の交通に不案内な今中らに替わって、運転手を買って出ることを決めていた。

調査団は今中と私の他、広島大学大学院准教授の遠藤暁、公害史が専門の國學院大学教授の菅井益郎の4人。28日の朝、東京を出発する際に今中から渡されたのは、「ポケット線量計」だった。放射線作業従事者や原発作業員が身につける、被曝量をチェックするための計器だ。

線量率を計測する今中助教
Photo by Masuo Sugai

道中でも線量率を計測しながら、福島市を経由して村に着いた時はもう夕方近かった。村長への挨拶と説明もそこそこに、予備調査のため役場を発っ た。南下するにつれ今中の手にするサーベイメーター(放射線の空間線量率を測る計器)の数値が上がっていく。「10マイクロ、11、15……、計測不 能!」。今中が叫んだ。その時彼が手にしていたサーベイメーターでは、毎時19.9マイクロシーベルトまでしか測れないのだ。

同心円状の区域設定は無意味

この日は村内に宿泊し、翌日は朝から車で南北、東西に村内を走りながら、空間線量率を記録していった。測定箇所は全部で140ヵ所。ほぼ村内全域 を網羅した。うち5ヵ所では含まれる放射性物質を調べるため土壌も採取した。最も値の高かった村南部の測定ポイントでは、路上で毎時24マイクロシーベル ト、畑の上では同30マイクロシーベルトにも達した。

30日に東京に戻り調査チームはいったん解散したが、広島大学の遠藤は早速持ち帰ったデータ、サンプルの解析に取りかかった。金曜日には解析があらかた終わり、その情報を村に伝えるとともに、対策を検討した。

村の汚染状況を表したマップ
(調査チームレポートより)  拡大画像表示

飯舘村の汚染は予想以上に深刻だった。村南部における3月15日からの屋外累積被曝量は、1ヵ月で50ミリシーベルト、3ヵ月で100ミリシーベ ルトまで達すると予想された。ずっと屋内に居続けたとしても、木造ならその半分程度は浴びることになる。放射線業務従事者の年間被曝限度を3ヵ月で上回る ことになる。ここは原発から30kmの屋内待避圏の外側で、30km圏はむしろそれよりも低い値だった。30km圏の同心円状の線引きが、実態を反映して いないことは明らかだった。

安全、安心を強調する国や県

放射線による人体への影響には、一時に大量に浴びた場合の急性障害と比較的低量を浴びた場合の晩発障害とがある。原発事故により大量の放射性物質が放出された場合に、まず問題になるのは前者だ。

急性障害に関しては、しきい値(これ以下は症状が出ないという限界値)がある。影響は器官や年齢などによって異なるが、100ミリシーベルト以下 では症状は出ないとされている。しかし、低量放射線を浴び続けそれが積み重なることによって生じる晩発障害については、しきい値がないとするのが ICRP(国際放射線防護委員会)の基準だ。放射線で遺伝子が傷つき、被曝量に応じて将来癌や白血病、遺伝的障害が生じるおそれあるのだ。

事故直後から、原子力安全・保安院などが伝えていたのは、一時的な被曝量を表す「線量率(時間あたりの値)」だ。これを元に、レントゲン検査1回 分程度などと「安心感」をふりまいた。しかし線量率が1マイクロシーベルト/hの土地に1年居続ければ、8760マイクロシーベルト=8.76ミリシーベ ルトになる。体が受けるダメージは1マイクロシーベルトではなく、8.76ミリシーベルト分だ。

飯舘村では20日ごろまでに、自主避難を含めて半数程度の村民が村外に避難していたと見られる。しかし、原発の状況が落ち着き始めると、家や家畜が心配だったり、仕事があったりして戻ってくる人が増えた。

そんな中、県は放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した長崎大学の教授を村に派遣した。しかし、彼は村内の汚染状況にかなり差があることや、 そこに住み続けるリスクを明確に示さず、「安全」、「直ちに健康に影響はない」と村民の前で断言して帰った。「子どもが外遊びをしても何も問題はない」と まで言い切ったという。

放射線は目に見えない。まわりにはいつもの春と替わらぬ景色が広がっている。もとより村にはなんの責任もない。その中で、放射線医療の専門家から安全のお墨付きを与えられ、村民の間には安心感が広がってしまった。

国は一刻も早く避難条件の合意を

そうした状況の中で行われたわれわれの調査だったため、結果の発表は慎重に進める必要があった。国は30km圏の線引きにこだわり、村の汚染を覆い隠そうとしているように思われた。

ところが4月4日に調査チームのレポートが公開されると、国の動きに微妙な変化が現れた。レポートはすでに2日の段階で村に、そして村に派遣され ている原子力安全・保安院職員に渡されていた。枝野官房長官は4月5日、年間被曝限度量の引き上げを示唆したが、これはこれまでのような「線量率」から予 測を含めた「積算値」管理への転換を意味している。

4月6日、村はわれわれの提案に基づき、南部の住民達の役場周辺への避難と、妊婦・乳幼児の村外への避難を決めた。その夕方、原子力安全委員会は記者会見で「村の判断は正しい」と見解を述べたという。このことは報道はされなかったが、親しい記者が私に伝えてくれた。

さらに4月7日には菅野典雄村長が官房長官から呼び出された。そして11日になって国は飯舘村を含む圏外の地区を「計画的避難区域」に指定するこ とを発表した。すでに放射性物質が大量に村に降下した15日夜から1ヵ月近くが経過し、村民はこの間いたずらに被曝を重ねてしまった。国はこれ以上の被曝 を重ねないよう、村民への補償を含めた避難条件について一刻も早く村に提示し、合意すべきだ。村民は今、放射能への不安と今後の生活の不安、村の将来への 不安という三重の不安を抱えながら暮らしているのだ。

いま、飯舘村の山々は、軟らかい木々の芽吹きに包まれるころである。だが昨年と異なるのは、そこが目に見えない放射能に汚染されていることだ。村 民は、彼らには何の責任もない原因で暮らしを仕事をそして故郷を奪われようとしている。あまりの理不尽さに、私は声を失う。(文中敬称略)

枝野長官会見(2)避難区域と準備区域「科学的データで線引き」(22日午前9時44分)

2011.4.22 12:40 (1/3ページ)
 記者会見する枝野官房長官=22日午前、首相官邸クリックして拡大する記者会見する枝野官房長官=22日午前、首相官邸

【南相馬市の区分け】

--南相馬市に関して言えば、計画的避難区域と緊急時避難準備区域の両方がある。区分けはどうなっているのか

「詳細はこの後、保安院から報告するが、南相馬市のうち、飯舘村や浪江町に近いエリアのある部分については、計画的避難区域になる。それ以外の20キロから30キロの区域については緊急時避難準備区域ということになる」

--計画的避難区域と緊急時避難準備区域で、対応がまったく違う。納得できない住民もいると思われる。どう説明するか

「住民の皆さんにとってはいろいろな立場、思いがあろうかというふうに思うが、そしてぞれぞれの関係する市町村長さんも設定そのものについて、なかなか思 いとしては辛いお立場、思いがあろうかと思うが、線引きについては、放射線量についての科学的なデータと、さまざまな地域の事情、状況などを踏まえて、も ちろん安全を前提にしながら、線引きをさせてもらっている。そうした事情や経緯などを踏まえて、いわゆる直線的に線を引いたところと、地区のまとまりとい うものを考慮して線をひいたところ。現場市町村などとの相談を踏まえて、繰り返すが、安全を前提にしながら現場の実態を踏まえて対応しているので、何とか ご理解をいただきたい」

【計画的避難区域の実施時期】

--計画的避難区域の実施は1カ月後がメドというが、もう少し細かく決まっているか

「やはり、1カ月後がメドだ。もちろん、この間、関係市町村ともいろいろ話をしてきており、当然、その際には、把握している放射線量モニターの結果など、 あるいは今後も、モニタリングを進めながら続けていくので、当然、早く出ていただいた方がいい地域と、1カ月程度、余裕を持って進められる程度の地域と、 いろんな状況も前提にしながら、避難先の確保など、それぞれの、特に仕事その他について抱えている事情なども踏まえながら進めていきたいと思っているの で、そういった避難のメドということにとどまる。できるだけ個々の事情も考慮しながら進めていきたい」

--5月末とか、6月半ばなどという言い方で言えば

「メドなので、今日は4月の下旬だ。5月の下旬というのがメドになるということだ」

【避難先の調整状況】

--避難先については、近くに住みたいという住民の要望が強い。調整状況は

「できるだけ地元の皆さん、あるいはより個々に住民の希望を反映した形で進めていきたいし、国としてできる限りの対応をしていきたいと思っている。ただ、 仮設住宅の建設などについては、一定の期間がかかったりする部分もある。例えば、それまでの間は旅館・ホテルなどの一時的な仮住まい、さらに仮設住宅な ど、いろいろ柔軟な対応を国としても、選択肢を町村などに示すなどして、できるだけきめ細かく、ご希望に可能な限り添えるような努力をしたい」

--家畜の移動についての要望も強い

「家畜については、これまで特段の制限は行われていないが、ほとんどの関係者の皆さんが区域 外への移動・出荷を自粛してきていただいている。今後、計画的避難区域および緊急時避難準備区域に指定された区域について、これらの区域外への移動や出荷 について支援をしていきたいと思っている。家畜を区域外に移動、出荷する際には、1頭ごとにサーベイメーターでの検査で実施し、一定の基準を超える場合は しっかりと除染を行う。1頭ごと、すべてについてチェックリストを作成し、畜舎内で養育されていたことであると、適切に管理された飼料や水が与えられてい たことなどについて、福島県の家畜保健衛生所の確認を行うこと、除染が必要になったウシを運ぶ車両についても、出車時にタイヤの除染などを行うこと。処理 された食肉についても、県として所要のモニタリングを行うことなどの取り組みを実施し、国として最大限の支援をしていきたいと思っている」

【土壌改良】

--土壌汚染についての要望も強いが、土壌改良について具体的な対応は

「土壌改良については、しっかりと進めていくし、できるだけ早い段階から進めたいという大きな方針になっている。避難を計画的に進めていただく一方で、さ らにモニタリングなどを通じ、発電所の状況をにらみながら、できるところから、できるだけ早くという方針のもとで、主に農林水産省において検討を急ぐよう にお願いしている」

【計画的避難区域の一時立ち入り】

--計画的避難区域には一時立ち入りのルールはできているのか

「ここは警戒区域とは異なり、そうしたことをしようとは思っていない。ぜひ一定の理解のもとに避難をしっかりしてほしい。立ち入る際については線量が高い わけだから、放射線管理に万全を期した一定の条件をもとに立ち入ってもらう。たとえば、工場などが中にあって通うことは可能であるか、などについては勤務 時間や立ち入り時間、それから屋外でどの程度作業するか、そして当該地域の線量などを具体的に考慮して原子力安全委員会による安全性を前提として個別に判 断したい」

--計画的避難区域の指定が遅いということで、避難先の受け入れも後の順番になるとの声がある

「警戒区域の皆 さんはもう事故直後に避難され、1カ月余り厳しい状況の中で少なからずいまなお避難していることについて申し訳ない。計画的避難区域設定のタイミングは安 全性の観点からできるだけ早いほうが良いとの観点、それから逆に地元の声や要望、あるいは細かい実態を踏まえて準備、検討して指定するべきとの両面の声が あった。政府としても両面を考えなければいけないと思ってきた。安全性については揺るがすことはできないが、安全性を確保できる範囲内において丁寧に地元 との協議、要望を踏まえた対応をしてきたつもりだ」

--一時立ち入りだが、計画的避難区域で避難したうえで、場合によっては工場の稼働継続を認めるのか

「一般論として全部大丈夫ですというように受け止められると期待を裏切ることになるので、個別にきちんと細かい状況を踏まえて、放射線線量の状況や一時立 ち入りの仕方の形態によっては、その可能性があるということまで申し上げたい。実際に個別に可能になるのかどうかは現場において詳細な状況を踏まえて今後 対応したい」

--個人判断ではなく、国とかの判断か

「放射線量のモニタリングであるとか、それを踏まえた原子力安全委員会の助言とかを国とし て責任をもってやったうえで、この条件なら可能であるとかを相談させていただく。特に、計画的避難区域については、少なからず線量の高い地域があるので、 それぞれの個人判断は控えてほしい」

--そういう相談手続きは始めているのか

「手続きというか、この間も地元からこういうことできないか、ああいうことができないか、という個別の要望、相談をいただいている。それについて検討を進めている中で、今後の1カ月をめどとした避難のプロセスで何か可能なことはないか最大限のチャレンジをしたい」

--20~30キロの間で計画的避難区域、緊急時避難準備区域の両方に該当しない地域がでているが、その地域は

「それぞれの地域の線量やリスクを安全性の観点を踏まえたうえで、それぞれの自治体と協議をしてきた。具体的にいうと、20~30キロ圏内にいわき市の一 部が入ってきたが、ここはどちらの指定もなくなった。そして屋内待避の指示も解除される形になる。いわき市については線量が高い状況ではなく、30キロ圏 内だが、大規模な放射性物質の放出、つまり原発の悪化というような緊急時に備えて万一に備えて自力で避難できる態勢が確立されるのがエリア指定の目的。い わき市は市自らの組織的な避難準備を整えることなどを前提に、市からも強い要望があって、安全委員会の意見を踏まえた上で、従来の20~30キロ圏内の一 部についてはどの指定もしないというのが安全の観点からも可能であろうという、そして市の強い要望に基づいた結論だ」

--計画的避難区域、準備区域の考え方を発表してから時間がかかっているが、どの点で自治体との調整に時間がかかった

「地元から は避難先がどうなるとか、家畜とか工場の稼働はどうするのか、さまざまな心配がある。それについて、すべてを今の段階で確定的に答えることはできていない が、少なくとも方向性、姿勢、考え方などについて説明して、そのやりとりの中で具体的なやり方については、こうした方が望ましいとのやりとりもしてきた。 当然、当事者の皆さんからすれば、まだまだ納得できない思いはあろうかと思うが、政府として地元からの要望などについて一定の方向性が示せるということで このタイミングにした」

【イネの作付け制限】

--イネの作付け制限に関する具体的な補償内容はどうか

「農水省に聞いてもらえれば。農水省で基本的な考え方をまとめて、最終的には原発事故の経済被害の対応本部で方針をまとめる」

--計画的避難区域の1カ月めどというのは、避難完了か、それとも避難開始か

「1カ月めどにできればすべての方が計画的に順次、避難を終えていただきたいというのが政府としてのお願いだ」

--イネの作付け制限だが、セシウムは半減期が30年ぐらいある。コメ作りは長い間にわたりできなくなるのではないか

「土壌改良などに相当な力を注いで努力をしたい。もちろん技術的にできる限界があるかもしれないが、原発が収束した段階でどの程度の放射性物質、特に半減 期の長い放射性物質の堆積(たいせき)があるのかによっても左右されると思う。しかし政府としてはわが国の技術立国の誇りにかけても早期に農業ができる状 況に戻すことができるかということには最大限のチャレンジをしていく」

--関連だが、警戒区域だが強制退去の可能性はあるか。やるなら説得してからなのか

「昨日、お答えしたと思う」

【電力使用制限】

--電力の使用制限について、供給量が増えたということで、25%から減らす話が出ているが、大口需要家が節電を進めるなかで、具体的な数値は。15%でよいか

「昨日の会見でも報告した通り、東京電力からは供給力の増強にさらに努力をしていただくことの報告は受けた。しかし、これが本当にしっかりと確保できるの かどうかということについて、国としてもしっかりとした成果が必要だと思っている。また、そうしたことの上で、実際にどの程度の需要の抑制が必要かについ ても、精査をしているところだ。当然、関係者としては最大限の努力に向けていろいろご検討いただいているところだから、その目標値は大変ご関心が高いこと だと思っているし、できるだけ早く出したいと思っているが、この精査はしっかりとして。どちらの方向に間違えても、いろんな意味で影響は大きいので、精査 をしっかりとした上で、政府としての考え方は電力需給対策本部で、できるだけ早い段階でお示ししたい」

--時期的なメドは

「できるだけ早くと思っているので、できれば、週明けの早い段階でと思っている」

【計画的避難区域】

--計画的避難だが、南相馬と川俣町のエリアの境界だが、当初の想定通りの区分けになったのか

「その後のさらに細かい調査、モニタリングもさらに行っている。それから直線的線引きというよりは、地域がそれぞれの市町村の中もいろいろと地域割がされているから、行政的な地域割もコミュニティーとしての一体性も考慮した上で、最終的な線引きをする」

--計画的避難区域だが、戻って来られる時期の見通しは? 避難区域が拡大する可能性については

「1点目は、原子力発電所が収束することで新たな放射性物質の堆積、そのことによって放射線量が高まることがなくなることが、一つの前提になる。そうする と、先日、示したように6~9カ月でそうした状況を目指すという工程表が示されているわけだ。で、その段階で初めて、そこから先の具体的なことについての 検討ができるとなる」

 「当然、先程発表した通り、モニタリングはさらに強化して、この程度のたとえば土壌の汚染 量だから、これぐらいの期間で戻ってこれるようになりそうだ、という見通しはその間に蓄積できていくと思うが、実際にプラントを収束させた時点から、最終 的な確認をしないと出てこない。そこから先はまさにそれぞれの。おそらく、今回の指定してお願いしている地域の中においても、放射線量を堆積している放射 性物質の量は違いがある。そうしたことをかなり細かく詳細に分析した上で、お示しさせていただくということになろう」

「2点目は、もちろ ん今回、指定しなかった周辺地域についても、先程の発表の通り、さらに詳細なモニタリングをする。そのモニタリングを強化していくということになるが、少 なくとも現時点で把握している情報の中、つまり放射線量のモニタリングなどの中からは、原発の状況がこれ以上悪化しない中であれば、ということが前提にな るが、新たな指定の拡大について、今、何か検討していることはない」

--避難期間が月単位ではなく年単位になる可能性も否定できないか

「私が今申し上げた通りだ」

--避難の解除は、一律ではなく、その地域の放射線量をみて段階的に解除していくのか

「原子力発電所の事態を一定の収束をさせた上で、さまざまなモニタリングを最終的にしっかりと確認して、それに基づいて判断することに尽きる」

--一律ではない?

「その時の結果がどうでるかに尽きる」

--計画的避難区域に一部地域が該当すると。川俣町と南相馬市の地区名を読み上げてほしい

「詳細は後で紙と地図を含めて、保安院のほうからお渡しする」

【高濃度汚染水】

--高濃度汚染水だが、低濃度汚染水の3万倍の放射能が海に流出したと発表された。原発付近にはかなり滞留している可能性がある。汚染水が拡散する危険性が指摘されるが

「いずれにしても、どういう出方のルートにしても、環境中に放射性物質がこの事故のために大量に放出していることについては、大変に遺憾に思っているとこ ろだ。これは何度も申し上げている。この海の水への流出については、海に流出している可能性があると判明した時点から、累次、モニタリングを強化してきた ところだ。そうした実際の海洋汚染の実態を踏まえた中で、今回、放出量についての一定の推定値が示されたと思っている。引き続き、海洋の現実の環境への影 響についてのモニタリングをさらに強化して、それが特に健康、あるいは産業などへの影響を及ぼさないように、厳しく見て参りたい」

machikawaco3 について

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